130 / 291
平穏の章
読者様はお客様、視聴者様はお客様、お客様は神様
しおりを挟む
「世界的にも人気の高い、海賊の少年の冒険活劇にも、宇宙から来た戦闘種族が果て無き強さを求める物語にも、<神様>と評される偉大な大先輩が生み出した数々の名作にすら、<アンチ>と呼ばれる連中がいる。『面白くない』『つまらない』『くだらない』『粗が目立つ』と叩く奴はいるのだ。
どれほど『読者の為』『視聴者の為』と唱えようとも、それがまぎれもない現実だ。読んだ者、視た者すべてを無条件で満足させるものなど作れはしない。
今、二期が絶賛炎上中のアニメの一期でさえ、それを無条件で高く評価しているのは<信者>とも称されるごくごく一部の者達だけだ。その者達は、<アニメ好き>と称される者達の何パーセントを占める? 全体から見れば少数派にすぎんことは、客観的に見ればまぎれもない事実のはずだ。
一期を『面白い』と感じた者の中にも、『二期もまあこれはこれでアリ』と感じる者がいるのも現実なのだ。少なくとも私はそう感じてる。<信者>とさえ称される者達があそこまで必死になってコキ下ろす理由など、私にはまったく理解できん。
『面白くない』と感じるのは自由だ。自分が面白くないと感じたものを『面白いと思え!』と他人から押し付けられるのは私とて承服できん。
だがな、自分が面白くないと感じたものを、他人にも『面白くないと思え!』と押し付ける権利が貴様らにはあるのか?
まったくもって『何様だ!?』という話だな。
加えて世の中には、
『金を貰ってるんだから何を言われても仕方ないだろ!』
などとたわけたことを抜かす輩がいる。
お前それ、
<金を払ってやってる客に対する態度が気に入らないと、店側に土下座を強要する輩>
と同じ思考だぞ?
何故そのことに気付かんかな。
『読者様はお客様、視聴者様はお客様、お客様は神様』
いつまでそういう思い上がりを続けるつもりなんだか。
私は、<客の立場>としても、他人の作品を貶そうとは思わん。金を払って『損をした』『無駄になった』と思うことはあっても、それは所詮、私の感性には合わなかっただけにすぎんからな。
<ラノベ論>を高々と掲げる連中からはクソほど叩かれる私の作品でも、『面白い』とおっしゃってくださる方はいらっしゃるのだ。
その事実を前にすれば、個人的な見解にすぎん<ラノベ論>など、なにするものぞ」
いつものように熱く語るアオの前で原稿のチェックをしていたさくらは、
「はいはい。それは分かりましたから、百五十二ページの六行目から十三行目に掛けて、アニメの<クラウン・パヴァネリアス>を揶揄してるととられかねない表現になってると思うんですが、どうでしょうか?」
と、事務的に問い掛けた。するとアオも冷静になり、
「お、おう、そうか? 私は<クラウン・パヴァネリアス>はアニメも原作もよく知らんのだが、そのように受け取られるのは本意ではないな。どこがマズい?」
原稿を覗き込んだのだった。
どれほど『読者の為』『視聴者の為』と唱えようとも、それがまぎれもない現実だ。読んだ者、視た者すべてを無条件で満足させるものなど作れはしない。
今、二期が絶賛炎上中のアニメの一期でさえ、それを無条件で高く評価しているのは<信者>とも称されるごくごく一部の者達だけだ。その者達は、<アニメ好き>と称される者達の何パーセントを占める? 全体から見れば少数派にすぎんことは、客観的に見ればまぎれもない事実のはずだ。
一期を『面白い』と感じた者の中にも、『二期もまあこれはこれでアリ』と感じる者がいるのも現実なのだ。少なくとも私はそう感じてる。<信者>とさえ称される者達があそこまで必死になってコキ下ろす理由など、私にはまったく理解できん。
『面白くない』と感じるのは自由だ。自分が面白くないと感じたものを『面白いと思え!』と他人から押し付けられるのは私とて承服できん。
だがな、自分が面白くないと感じたものを、他人にも『面白くないと思え!』と押し付ける権利が貴様らにはあるのか?
まったくもって『何様だ!?』という話だな。
加えて世の中には、
『金を貰ってるんだから何を言われても仕方ないだろ!』
などとたわけたことを抜かす輩がいる。
お前それ、
<金を払ってやってる客に対する態度が気に入らないと、店側に土下座を強要する輩>
と同じ思考だぞ?
何故そのことに気付かんかな。
『読者様はお客様、視聴者様はお客様、お客様は神様』
いつまでそういう思い上がりを続けるつもりなんだか。
私は、<客の立場>としても、他人の作品を貶そうとは思わん。金を払って『損をした』『無駄になった』と思うことはあっても、それは所詮、私の感性には合わなかっただけにすぎんからな。
<ラノベ論>を高々と掲げる連中からはクソほど叩かれる私の作品でも、『面白い』とおっしゃってくださる方はいらっしゃるのだ。
その事実を前にすれば、個人的な見解にすぎん<ラノベ論>など、なにするものぞ」
いつものように熱く語るアオの前で原稿のチェックをしていたさくらは、
「はいはい。それは分かりましたから、百五十二ページの六行目から十三行目に掛けて、アニメの<クラウン・パヴァネリアス>を揶揄してるととられかねない表現になってると思うんですが、どうでしょうか?」
と、事務的に問い掛けた。するとアオも冷静になり、
「お、おう、そうか? 私は<クラウン・パヴァネリアス>はアニメも原作もよく知らんのだが、そのように受け取られるのは本意ではないな。どこがマズい?」
原稿を覗き込んだのだった。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる