クセの強い喪女作家のショタ吸血鬼育成日記

京衛武百十

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平穏の章

絶賛袋叩き中

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「ところで先生って、『炎上してるのを見るのが悲しい』とかおっしゃるわりには、ご自身の作品が批判されてることは気になさらないですよね?」

「ん? おお、新作が今回も絶賛袋叩き中らしいな。いや、結構結構」

「いいんですか? それで」

「構わん構わん。他の人の作品が叩かれているのは悲しくなるが、私の場合は、今回もちゃんと『一般受けしない』っていう私の作品の特色がしっかり出てるという何よりの証拠だ。反応があるということはそれだけ気にしてもらえてるということだしな

加えて、初動でもいつもどおりのレベルに達してるんだろ? なら会社にも迷惑は掛けてないから問題ない」

「先生って、プロ意識があるのかないのかよく分かりませんよね」

「<プロ意識>なる、解釈次第でどうとでも取れるいい加減な言葉など、どうでいいわ。どうせ私は、お前に<商品になる作品>を選んでもらってるだけだしな」

「またそんなことを……」

困ったように微笑むさくらに、アオは「ふふん」と鼻を鳴らす。

「元より私は、見なきゃいけない義理もないものを自分から見ておいて、

『嫌なものを見せられた』

とか被害者面するような輩のことなど物の数に入っとらんのだ。

『嫌なら見るな』

と言われたら、

『見えるところに発表しておいて見るなとかwwwww』

などと得意げに言う奴もいるが、そういうのは、自分が、

『アニメやドラマの喫煙や飲酒描写に難癖をつける某団体wwwww』

と嘲っているところと同じことをしてると気付いとらんのだ。そんな輩の言うことなど私にとっては何の価値もない。

『読者や視聴者の意見に耳を傾けないようなのはダメ』

などとドヤ顔でご高説を垂れてる奴らは、テレビ番組にクレームを付けてきたりしてるのも自分と同じ<視聴者とか>だと何故気付かんのだろうな。

『テレビにクレームをつけるような奴らがテレビをつまらなくした』

とか言いつつ、自分がそいつらと同じことをするのだ。しかも、

『自分は番組のことを考えて意見してやってる』

と、自らを正義と信じて疑おうともせん。

もっとも、私の作品はアニメ化など及びもつかん<キモワノ>だろうがな。

それでも万が一、何かの間違いでアニメ化でもされようものならそれこそご自慢の<アニメ論>を掲げて叩く奴が現れるだろう。

だが、お前の<アニメ論>がなんぼのもんじゃい!

他の作家諸兄らはどうか知らんが、私の場合は、

『私の作品を他人がどう料理するのか?』

ということにしか興味はない。その結果、盛大に<激マズ料理>にされたとて、むしろ、

『さもありなん』

としか思わんな。私の作品は、私の感性の産物だ。それを他人が上手く再現できなくても当然だろう。

そして私は、そのことを恨もうとも思わん」

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