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お父さんのお膝
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「ごちそうさま~」
お皿二つに山盛りあった餃子が、きれいさっぱりなくなった。みんな、『もう食べられない…!』って顔してた。私もこんなに食べたのは久しぶりだ。
大変そうだけど、でもみんな幸せそうな顔してる。私と沙奈子ちゃん、ううん、みんなで作った料理でこんなに幸せそうにしてる。
嬉しい…!。
香保理と一緒に暮らしてた時も、玲那と一緒だった時も、私は幸せだった。それでもう十分に幸せだと思ってた。でも、それ以上の幸せがあるなんて知らなかった。
志緒里と莉奈が、彼の机の上から見詰めてる。私達のことを見守ってくれてる。
香保理も見てくれてるかな。志緒里の目を通じて見てくれてるかな。
香保理…、私、こんなに幸せだよ……。
「沙奈子ちゃん、今日は誰と一緒に入る?」
さすがに動くのも大変だったからしばらく寛いでから、玲那が不意にそんなことを口にした。
すると沙奈子ちゃんが私達をぐるっと見渡して、
「お母さん!」
って私を見て言ってくれた。もちろん私も「はい」と応えた。顔が勝手にほころぶのが分かる。
「ちぇ~、やっぱりか~」
玲那は残念そうだったけど、前回、二日続けて沙奈子ちゃんと一緒に入ったんだから仕方ないよね。でもそのすぐ後で、ニヤリと笑いながら沙奈子ちゃんに訊いた。
「じゃあ、沙奈子ちゃんがお風呂入ってる間、お父さんのお膝もらっていい?」
「…え!?」って感じで、沙奈子ちゃんと彼が驚いてるのが分かった。なのに沙奈子ちゃんはちょっと考えるような仕草をしてから、だけどすぐに決心したような表情で頷いた。
「分かった。おねえちゃんにかしたげる」
「やったぁ!」って玲那は喜んでたけど、待って待って、彼の意向は!?。なに勝手に決めてるの…!?。
なのに彼の方も、『仕方ないなあ』って顔をしながら座椅子に座り直してた。いつも沙奈子ちゃんを膝に座らせるときに使ってる座椅子に。
「おとーさーん!」
玲那が本当に子供みたいな声を出しながら彼の膝に座る。瞬間、「ぐえっ!」って彼が声を上げた。
こらこら玲那!、無茶しないで…!!。いくら太ってないっても、沙奈子ちゃんとあなたとじゃ、さすがに体の大きさが違いすぎだから!。
それでも彼も、迷惑そうな様子はなかった。本当に<娘を膝に座らせてるお父さん>って感じだった。二人とも大人なのに、なぜかちゃんとそう見えた。
もう…、玲那ってば……!。
とは思ったけど、私ももう何も言う気になれなくて、素直に沙奈子ちゃんと一緒にお風呂に入ったのだった。
お皿二つに山盛りあった餃子が、きれいさっぱりなくなった。みんな、『もう食べられない…!』って顔してた。私もこんなに食べたのは久しぶりだ。
大変そうだけど、でもみんな幸せそうな顔してる。私と沙奈子ちゃん、ううん、みんなで作った料理でこんなに幸せそうにしてる。
嬉しい…!。
香保理と一緒に暮らしてた時も、玲那と一緒だった時も、私は幸せだった。それでもう十分に幸せだと思ってた。でも、それ以上の幸せがあるなんて知らなかった。
志緒里と莉奈が、彼の机の上から見詰めてる。私達のことを見守ってくれてる。
香保理も見てくれてるかな。志緒里の目を通じて見てくれてるかな。
香保理…、私、こんなに幸せだよ……。
「沙奈子ちゃん、今日は誰と一緒に入る?」
さすがに動くのも大変だったからしばらく寛いでから、玲那が不意にそんなことを口にした。
すると沙奈子ちゃんが私達をぐるっと見渡して、
「お母さん!」
って私を見て言ってくれた。もちろん私も「はい」と応えた。顔が勝手にほころぶのが分かる。
「ちぇ~、やっぱりか~」
玲那は残念そうだったけど、前回、二日続けて沙奈子ちゃんと一緒に入ったんだから仕方ないよね。でもそのすぐ後で、ニヤリと笑いながら沙奈子ちゃんに訊いた。
「じゃあ、沙奈子ちゃんがお風呂入ってる間、お父さんのお膝もらっていい?」
「…え!?」って感じで、沙奈子ちゃんと彼が驚いてるのが分かった。なのに沙奈子ちゃんはちょっと考えるような仕草をしてから、だけどすぐに決心したような表情で頷いた。
「分かった。おねえちゃんにかしたげる」
「やったぁ!」って玲那は喜んでたけど、待って待って、彼の意向は!?。なに勝手に決めてるの…!?。
なのに彼の方も、『仕方ないなあ』って顔をしながら座椅子に座り直してた。いつも沙奈子ちゃんを膝に座らせるときに使ってる座椅子に。
「おとーさーん!」
玲那が本当に子供みたいな声を出しながら彼の膝に座る。瞬間、「ぐえっ!」って彼が声を上げた。
こらこら玲那!、無茶しないで…!!。いくら太ってないっても、沙奈子ちゃんとあなたとじゃ、さすがに体の大きさが違いすぎだから!。
それでも彼も、迷惑そうな様子はなかった。本当に<娘を膝に座らせてるお父さん>って感じだった。二人とも大人なのに、なぜかちゃんとそう見えた。
もう…、玲那ってば……!。
とは思ったけど、私ももう何も言う気になれなくて、素直に沙奈子ちゃんと一緒にお風呂に入ったのだった。
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