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玲那と何か
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玲那が、いくら沙奈子ちゃんも一緒だからって男性の家に泊まるなんてことを言えるようになったのを喜んでる私がいるのと同時に、でもやっぱり彼女が抜け駆けしたのは、正直、腹が立った。そういうのは無しって言ったのに!。
そう思うとまただんだん腹が立ってきて、ベッドで玲那が枕代わりにいつも使ってるクッションをボスボスと殴って「玲那のバカ!、バカ!」って一人で悶々としてた。
寝る時間になっても今ごろどうしてるかな、山下さんに優しくしてもらったりしてるのかなって考えるとまたムカムカムカムカしてきてダメだった。
だけど…。
だけど、もし、彼女が彼にちゃんと甘えられたらいいなっていうのも思うんだ……。
彼女は私なんかとは比べ物にならないくらい、比べるのもおかしいくらいに辛い経験をしてきた。だから彼に泣いて縋ったりしてもそれを責めることはできないと思う。彼はそれを受け止めてくれる人だと思うから……。
ああ、でもでも、悔しい…!。玲那が彼に抱き締められたりしてるかもと思ったら、イ~ッッ!てなる。自分でもどっちなのか分からない。以前は二人が結ばれてくれたらって本気で思ってたのに、実際にこうして一緒にいることを思うと気持ちがザワザワして落ち着かない。
ぐわ~っ!、自分でもワケ分かんない~っっ!。なんなのよこれ~っ!!。
なんて感じで延々と身悶えてて、結局、ロクに眠れなかった。
翌朝、殆ど寝た気がしないままで起きたら、ヒドイ顔をした女が鏡に映ってた。ぞれが自分だって気付くのにたっぷり数秒かかった気がする。
それでも何とか用意をして、会社に向かった。バスのラッシュがいつも以上に堪えて、降りた時にはもう倒れそうな気分だった。
だけど気力を振り絞って午前の仕事を終わらせて、社員食堂へ行く。自分の分の食事をとって席に着いたら魂が抜けたみたいになってしまった。
「元気ないみたいだけど、大丈夫?」
すっと私の前に座った山下さんが、あの優しくて穏やかで柔らかい声で話しかけてくれた。それでようやく意識が戻った感じになって、
「すいません…、昨夜よく眠れなくて…」
きっとヒドイ顔になってるとは思うのにそれを気にする余裕もなかった。そして半ば無意識のうちに、
「昨日、玲那と何かありました…?」
なんて問い掛けてしまってた。続けて、
「玲那のことだから、どうせ泣きながら縋り付いてきたりしたんじゃないですか…?」
って。昨夜、頭に浮かんできたことをそのまま彼にぶつけてみた。
すると彼は、呆気ないくらいに、
「うん、山田さんの言う通りだったよ」
と穏やかに言ってくれた。
でも、その言葉を聞いて優しく微笑む彼を見て、私は、自分がホッとなるのを感じてたのだった。
そう思うとまただんだん腹が立ってきて、ベッドで玲那が枕代わりにいつも使ってるクッションをボスボスと殴って「玲那のバカ!、バカ!」って一人で悶々としてた。
寝る時間になっても今ごろどうしてるかな、山下さんに優しくしてもらったりしてるのかなって考えるとまたムカムカムカムカしてきてダメだった。
だけど…。
だけど、もし、彼女が彼にちゃんと甘えられたらいいなっていうのも思うんだ……。
彼女は私なんかとは比べ物にならないくらい、比べるのもおかしいくらいに辛い経験をしてきた。だから彼に泣いて縋ったりしてもそれを責めることはできないと思う。彼はそれを受け止めてくれる人だと思うから……。
ああ、でもでも、悔しい…!。玲那が彼に抱き締められたりしてるかもと思ったら、イ~ッッ!てなる。自分でもどっちなのか分からない。以前は二人が結ばれてくれたらって本気で思ってたのに、実際にこうして一緒にいることを思うと気持ちがザワザワして落ち着かない。
ぐわ~っ!、自分でもワケ分かんない~っっ!。なんなのよこれ~っ!!。
なんて感じで延々と身悶えてて、結局、ロクに眠れなかった。
翌朝、殆ど寝た気がしないままで起きたら、ヒドイ顔をした女が鏡に映ってた。ぞれが自分だって気付くのにたっぷり数秒かかった気がする。
それでも何とか用意をして、会社に向かった。バスのラッシュがいつも以上に堪えて、降りた時にはもう倒れそうな気分だった。
だけど気力を振り絞って午前の仕事を終わらせて、社員食堂へ行く。自分の分の食事をとって席に着いたら魂が抜けたみたいになってしまった。
「元気ないみたいだけど、大丈夫?」
すっと私の前に座った山下さんが、あの優しくて穏やかで柔らかい声で話しかけてくれた。それでようやく意識が戻った感じになって、
「すいません…、昨夜よく眠れなくて…」
きっとヒドイ顔になってるとは思うのにそれを気にする余裕もなかった。そして半ば無意識のうちに、
「昨日、玲那と何かありました…?」
なんて問い掛けてしまってた。続けて、
「玲那のことだから、どうせ泣きながら縋り付いてきたりしたんじゃないですか…?」
って。昨夜、頭に浮かんできたことをそのまま彼にぶつけてみた。
すると彼は、呆気ないくらいに、
「うん、山田さんの言う通りだったよ」
と穏やかに言ってくれた。
でも、その言葉を聞いて優しく微笑む彼を見て、私は、自分がホッとなるのを感じてたのだった。
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