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どうしたの?
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私がお風呂に入ってる間にも、玲那が彼に話し掛けてる声が断片的に聞こえてきた。
「もう、またその顔する~!。ズルい。その顔されたら何でも許さなきゃって気になるんだよな~」
とか、
「その顔だよ。私達の何もかも受けとめますって顔!。その顔のせいで、男とか女とかそんなの関係なく自分の全部を委ねちゃってもいいかなって気にさせられるんだよ~!」
とか、
「しかも、他の人にはそんな顔しないのに、私達の前だけではそういう顔するの。ホント、ズルい。私達はお父さんにとって特別なんだって、口で言わなくたって分かっちゃうじゃん!。このタラし!」
とか。
それがまたおかしくて、私はお風呂の中でクスクス笑ってた。
玲那が言ってることは、私にもすごくよく分かる。彼が私達のことを見る時の表情が、沙奈子ちゃんに向けてるのと変わらないってことを言ってるんだ。そしてそれは、私達以外の人にはあまり向けないものだった。沙奈子ちゃんの友達の千早(ちはや)ちゃんや大希(ひろき)くん、そして星谷(ひかりたに)さんを見る時の表情は、微妙だけど確かに違ってるんだよね。
だから玲那の言う通り、彼にとって沙奈子ちゃんと玲那と私が特別な存在なんだって分かるんだ。
本当に素敵。
私が彼を男性として意識し始めてることも素敵だけど、彼が私達を大切に想ってくれてるっていう事実に比べればまだまだ些細なことかな。
玲那…、幸せそうだね……。
浴槽に浸かりながらそんなことを思う。ヤキモチも戸惑いも、すべてひっくるめて彼は受けとめてくれてる。こんな人、もう出逢えないだろうな。
私達はきっと、パズルのピースなんだ。四人が揃ってようやく完成したってことなんだって気がする。
心が満たされていくのを感じる。
これからもきっと、感情をかき乱されるようなことは起こると思う。そういうのさえない人生なんて存在しないんじゃないかな。だけど、四人一緒なら乗り越えていける気がするんだ。それを毎日毎日実感する。
それを確かめて、私はお風呂から上がった。体を拭いて、バスタオルを巻き付けて、ドアを開ける。
「何々、どうしたの?」
かなりの部分は聞こえてたのに、私はわざと分からないふりをしてそう訊いた。すると玲那が、
「ねえねえ絵里奈!、お父さんってずっこいよね!?」
とか言ってきた。その言い方とか表情とか仕草とか、もう完全に<子供>のそれだった。安心して子供に戻れてるんだって分かる。
そんな彼女の姿が嬉しくて、私は「うんうん」て頷いてたのだった。
「もう、またその顔する~!。ズルい。その顔されたら何でも許さなきゃって気になるんだよな~」
とか、
「その顔だよ。私達の何もかも受けとめますって顔!。その顔のせいで、男とか女とかそんなの関係なく自分の全部を委ねちゃってもいいかなって気にさせられるんだよ~!」
とか、
「しかも、他の人にはそんな顔しないのに、私達の前だけではそういう顔するの。ホント、ズルい。私達はお父さんにとって特別なんだって、口で言わなくたって分かっちゃうじゃん!。このタラし!」
とか。
それがまたおかしくて、私はお風呂の中でクスクス笑ってた。
玲那が言ってることは、私にもすごくよく分かる。彼が私達のことを見る時の表情が、沙奈子ちゃんに向けてるのと変わらないってことを言ってるんだ。そしてそれは、私達以外の人にはあまり向けないものだった。沙奈子ちゃんの友達の千早(ちはや)ちゃんや大希(ひろき)くん、そして星谷(ひかりたに)さんを見る時の表情は、微妙だけど確かに違ってるんだよね。
だから玲那の言う通り、彼にとって沙奈子ちゃんと玲那と私が特別な存在なんだって分かるんだ。
本当に素敵。
私が彼を男性として意識し始めてることも素敵だけど、彼が私達を大切に想ってくれてるっていう事実に比べればまだまだ些細なことかな。
玲那…、幸せそうだね……。
浴槽に浸かりながらそんなことを思う。ヤキモチも戸惑いも、すべてひっくるめて彼は受けとめてくれてる。こんな人、もう出逢えないだろうな。
私達はきっと、パズルのピースなんだ。四人が揃ってようやく完成したってことなんだって気がする。
心が満たされていくのを感じる。
これからもきっと、感情をかき乱されるようなことは起こると思う。そういうのさえない人生なんて存在しないんじゃないかな。だけど、四人一緒なら乗り越えていける気がするんだ。それを毎日毎日実感する。
それを確かめて、私はお風呂から上がった。体を拭いて、バスタオルを巻き付けて、ドアを開ける。
「何々、どうしたの?」
かなりの部分は聞こえてたのに、私はわざと分からないふりをしてそう訊いた。すると玲那が、
「ねえねえ絵里奈!、お父さんってずっこいよね!?」
とか言ってきた。その言い方とか表情とか仕草とか、もう完全に<子供>のそれだった。安心して子供に戻れてるんだって分かる。
そんな彼女の姿が嬉しくて、私は「うんうん」て頷いてたのだった。
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