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第二幕

自分だって、嫌な相手を気遣ったりしたいわけじゃないでしょ?<気遣いたくない相手>とかいるでしょ?自分を気遣ってもくれない相手を気遣いたいとは

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改めて言うよ?

自分だって、嫌な相手を気遣ったりしたいわけじゃないでしょ? <気遣いたくない相手>とかいるでしょ? 自分を気遣ってもくれない相手を気遣いたいとは思えなかったりするでしょ? 子供が親を気遣ったりしないってのも、結局はそれなんじゃないのかな?

<気遣ったりしたいと思えない相手>

になっちゃってたりするんじゃないの?

だから私は、自分の子供達に対して、『おもねる』ってんじゃなくてあくまで、

『一人の<自分とは別の人格を持つ相手>として気遣う』

ってのを心掛けてるんだよ。

<親の愛情>なんて詭弁を盾にして自分の感情を一方的に押し付けることをしないだけなんだ。自分の感情を一方的に押し付けられて嬉しい人っている? たまにはいるかもだけど、だいたいの人は嫌がるだけだと思うけど?

その当たり前の現実を受け止めればこそ、相手を気遣ったりもできるよね?

そうしてるだけなんだよ。

そしたら子供達も、私を気遣ってくれたりする。気遣ってくれるから、一方的に感情をぶつけてきたりもしない。

『反発しない』

と言うのよりは、

『一方的に感情をぶつけたりしない』

ってことかな。親である私のことも、一人の人間として接してくれてるだけなんだ。それができてるだけなんだ。私がそうしてきたから、その真似をできてるだけなんだよね。

『あなたのためだから!』

とか言って怒鳴ったり叩いたりするのとか、<幼稚>だとしか思わないよ。自分の感情ともまともに向き合えない幼児のすることだと思う。親の方はそんな幼児性を残したままで子供にだけ成長してもらって和解してもらおうとか理解してもらおうとか、そんなムシのいい話を期待してるのもやっぱり<幼稚>だよね。

『必要なことを伝える』

のと、

『自分の感情を抑えることもできない』

のは、まったく別の話だよ。それが別の話だというのを理解できないなんて、<大人>とはとても言えないと思う。

私だって自分に幼稚なところがあるのは分かってる。承知してる。自覚してる。自分を、

<立派な大人>

だなんて言うつもりもさらさらない。

<大人になりきれてないダメな人間>

だってことは分かってるんだ。でもね、だからこそ自分以外の人もそういう部分はあるってのを認められるんだ。自分を<立派な大人>だとか思ってたら、他人の、

<とても立派な大人とは言えない部分>

について許せなくなったりしそうだしね。てか、そんな感じの人、多くない? 自分のことは棚に上げて他人のダメなところを攻撃する人ってさ。

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