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第二幕

改めて言うよ? 『親なんて、勉強しなくても、子供さえ生んじゃえば誰にだってなれる程度のものだ』ってさ。医師や教師や弁護士と違って、『勉強しな

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改めて言うよ? 

『親なんて、勉強しなくても、子供さえ生んじゃえば誰にだってなれる程度のものだ』

ってさ。医師や教師や弁護士と違って、

『勉強しなくてもなれる、免許も資格も要らない、その程度のもの』

なんだよ?

私自身が<親>だから、これはちゃ~んと自分で確実に確認した、紛れもない事実だよ。誰がどんな詭弁並べようが覆せない厳然たる事実。

そんなものがなんで、

<絶対者>

みたいに思われてんの? どんないい加減なことをしても手を抜いても、必ず感謝してもらえる敬ってもらえる<絶対の存在>ってことになんの? なんで? 私はそんな立派な存在じゃないよ? ものすごくいい加減でだらしなくてダメ人間なんだよ? それが<親>ってフィルター通すだけで、

<素晴らしい存在>

になるとか、いやいや、どう考えたっておかしいでしょ?

いい加減に現実と向き合おうよ。『勉強しなくてもなれる、免許も要らない、その程度のもの』だっていう現実とさ。

すっごい勉強してなった医師や教師や弁護士とかでも、とても尊敬できないようなのはいたりするんでしょ? ダメなのがいたりするんでしょ? 

それなのになんで、親だけは、『勉強しなくてもなれるし、免許も資格も要らない、その程度のもの』でしかない親だけが『間違わない』『失敗しない』『必ず敬わなきゃいけない』存在になっちゃうの?

どう考えたっておかしいでしょ? 私はその現実と向き合うようにしてるだけなんだよ? だからこんなことを言ってる。そして、ダメダメな親でしかない私が育てた子供達でも、イヤイヤ期もない、魔の二歳児もない、反抗期さえない、そんな子供だったんだよ?

三人が三人とも。

私は自分がダメダメな親でしかないことを認めてるから、自分が、間違うこともある、失敗することもある、そういう<ただの人間>だってことをわきまえてるからこそ、

『上手くいかないのは自分の接し方に齟齬があるからかもしれない』

って事実を認めて、客観的に自分を見るようにしてきたんだよ。

子供達は、私の勝手で、

<まったく見ず知らずの、自分の感覚がまったく通用しない、何も分からない、恐ろしい怪物みたいのが取り囲んでる世界>

に送り出されちゃったんだってのを理解して、そんな世界に、自分で自分を守ることもままならない非力な存在として何の予備知識も事前説明も承諾もなしで一方的に放り出された子供達が私のことを信頼してくれるようになるにはどうすればいいのか?ってのを考えるようにしてただけなんだよ。

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