私が異世界物を書く理由

第二幕

相手をちゃんと人間だと思っていたら、自分と同じく人間なんだと分かっていたら、できないことってあるでしょ？ 人間である自分がされて嬉しくない

相手をちゃんと人間だと思っていたら、自分と同じく人間なんだと分かっていたら、できないことってあるでしょ？　人間である自分がされて嬉しくないことを、自分と同じく人間である相手に何でできるのさ？

自分はそれをされて嫌なんだから相手も同じように嫌だろうなって、簡単に想像できると思うんだけど？

『自分も他人から嫌なことをされたんだから、同じことを他人にする権利がある！』

とか思ってるのかもしれないけど、いやいやそんな権利ないから。そんなものは＜権利＞じゃないから。それはただ単に＜他人の所為＞にしてるだけだから。

自分の加害行為をね。

幼い子供のうちはさ、確かに道理とかをよく理解できてなかったりするからついつい他人の所為にしちゃったりすることもあると思う。

だけどさ『他人の所為にするな！』とか言えるくらいになってきたら、いろんなことが分かってくるはずでしょ？　いろんなことが考えられるようになってるはずでしょ？　なのになぜ考えないの？

『自分も他人から嫌なことをされたんだから、同じことを他人にする権利がある！』なんて、他人の所為にしてるだけだって。そこまで甘やかされたいの？

他所様に対しては、

『子供を甘やかすな！』

とか言うくせに、自分のことは甘やかしてもらいたいんだ？　ふ～ん？

でもさ、学校での体罰の話に戻るとさ、いや、学校だけじゃないな。体罰なんてやっぱり＜自分より確実に弱い相手＞にしか使えないじゃん。こわ～い自由業の方のお子さん相手にそれができんの？　お偉い議員さんのお子さんとかにそれができんの？　上司のお子さんとかにそれができんの？

『自分のクビを賭けてでもバシッとやれる教師が必要だ！』

なんて、それ、なんて漫画のキャラクター？　バシッとやっちゃってそれでクビになったら、次からはどうすんの？　バシッとやっちゃってもその一回で反省なんかしないだろうし、しかも『自分に体罰を加えた教師をクビにできる』なんておかしな経験させちゃったら、それこそ増長するとは考えないの？　利口なんだったらそこまで想定できると思うんだけど？　私みたいな学のない人間でもその程度のことは想定できるよ？

フィクションの中では『バシッとやってそこでよかったよかった』なんてご都合主義な展開にもできるけどさ、現実はそんな甘くないんだよ？　その度に教師を使い捨てにして、どうすんの？　

ねえ？　ねえってば？

とにかく体罰なんて、

＜自分より弱い相手にイキれるだけの茶番劇＞

なんだってことを自覚した方がいいよ？　自分を利口だって思うんならね。

ああそうか。自分より弱い相手にイキりたいから、容認したいんだ？

そうかそうか。