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第二幕

『フィクションに鬱展開とか不幸は要らない!』って話だけどさ。それ、前にも言ったと思うけど、ただの<個人の好み>だよね?

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はっは~っ! ダンナや子供達との時間も堪能したし、そろそろまた再開しようかな。言いたいことはだいたい言ったつもりだったけど、また何度も同じことを言うと思うけど、したためたくなってきたんだよ。

でさ、まずは、

『フィクションに鬱展開とか不幸は要らない!』

って話だけどさ。それ、前にも言ったと思うけど、ただの<個人の好み>だよね? まあ世の中が相変わらずだから私も再度言うけど、

『あなたの好みだけが正解じゃない』

っての!

商業的な意味でもね。ちゃんと利益が生まれるなら、たかが<フィクション>、何でもありのはずなんだ。

だいたいさあ、現実には確かにどうしようもない胸糞な話とか鬱な話とか不幸は溢れてるよ? でも、あなた達はその胸糞だったり鬱だったり不幸な話についてどこまで詳細を知ってるってのさ? そこに関わってくる人間達の関係性とかそこに至るまでの諸々とかを、どの程度知ってんの? 知らないじゃん。ほんの上辺の部分しかさ。

<イジメに対する報復>だと思って、

『よくやった!』

『イジメ加害者は震えて眠れ!!』

とか騒いだ事件が、実は加害者のただの逆恨みで、イジメらしいイジメなんかなかったって事件もあったじゃん。最初の印象だけでお祭り騒ぎをして本当にただ被害者でしかなかった人を『ざまあ!』みたいに嘲笑ったりしたじゃん。

要するに、安全なところから叩ければいいだけなんでしょ? その事件から何かを学ぼうとかも思ってないんでしょ?

加害者が吊るされるまでを実況して盛り上がりたいだけなんでしょ? 他者の不幸をエンターテイメントにして弄んでるだけじゃん。

だけどさ、<フィクション>は、<嘘>なんだよ。どんなに胸糞で鬱で不幸な出来事が起こっても、それは嘘なんだ。そこに<被害者>はいない。本当に不幸になった人はいない。だからこそ、どんなに詳細に踏み込んだ描写をしたって、誰も被害には遭ってないんだよ。

フィクションだからそれができる。それが成立する。

商業的に旨味がなくても、じゃあ、商業ベースじゃない創作でならそれこそいくらでも遠慮なく描けるじゃん。それがたまたまヒットして売れちゃっても、まさしく『たまたま』だよね。

ましてや、

『売れなくてもいいから思いっ切りそれを描きたい』

って創作者がいても別にいいじゃん。それに何の問題が? ゾーニングは必要だとしても、『創作すること』自体をやめさせる権限なんて誰にもないはずだけどなあ?

私の知ってる創作者さんにも、えげつない胸糞話を描く人もいるけど、私の好みには合わないけど、『私の好みに合う=価値がある』ってわけじゃないことくらいは、わきまえてるけどなあ。

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