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それにしても、<親ガチャ>って言葉を使いたがる心理の裏側には、結局、『自分と他者を比べて勝手に卑屈になってしまう』っていうのがありそうな印象

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それにしても、<親ガチャ>って言葉を使いたがる心理の裏側には、結局、

『自分と他者を比べて勝手に卑屈になってしまう』

っていうのがありそうな印象はあるかな。だから私の子供達はそれを使わない。

だってさあ、<親ガチャ>って言葉を使って、

『自分はこんなに上手くいってない』

って嘆きたいってことはさ、要するに、

『他者と比べて自分は見劣りしてる』

って感じるからでしょ? それがただの<愚痴>に過ぎないとしても、少なくとも自分が劣ってる気がするからそんな愚痴もこぼれる。

これってさあ、

『自分の<好み>こそが世の中のスタンダードであるべきだ!』

的な考え方とも繋がってそうな気がするんだよね。

すごくヒットした漫画やアニメについて、『自分の好みには合わない』ってだけで『クソだ!!』『駄作だ!!』って貶そうとするのってさ、結局、

『自分の好みに合わないものには価値がない!!』

って言いたいんでしょ? そしてそれは翻って、

『自分の好みに合うものこそに価値がある!!』

『価値があるものの価値が分かる自分はすごい!!』

って思いたいだけでしょ? もしそうじゃないってのなら、なんで自分の好みに合わないものを貶そうとすんのさ? 自分の好みに合わないものが世の中で評価されててもヒットしてても、

『そうか。みんなこういうのが好きなんだ』

と思っとけばそれで済む話じゃん。別に貶す必要なんてないでしょ? 

『世の中でヒットしてるものに興味がない』=『自分に価値がない』

みたいに感じてるんじゃないんならさ。

ホント、

『ファンのことを考えろ!!』

『読者や視聴者のことを考えろ!!』

とか言うクセにさ、世の中でヒットしてる作品にはそれだけファンやその作品を楽しんでる人がいるっていうのに、そういうファンや読者や視聴者のことは考えないんだよねえ?

おっかしいなあ~? 

『ファンや読者や視聴者のことを考えろ!!』

って言うんだったらさ、どうして、

『自分の好みに合わない作品を楽しんでるファンや読者や視聴者のことは考えない』

わけ? おかしいじゃん。

つまるところ、<ファン>だ<読者>だ<視聴者>だって言ってても、ただただ、

『主語を大きくしてる』

だけで、自分の個人的な好みを押し付けようとしてるだけじゃん?

自分の好みに合わないものが評価されるのがそんなに悔しいの?

ヒットしてるものの価値が分からない自分は世の中から蔑ろにされてる気がするの?

でもさ、だからって、自分の好みに合わない作品を貶したところでそんなの、

『<親ガチャ>って言葉を使って自分が恵まれてないことをただ嘆いてるだけ』

と同じだと思うんだけど?

だって、自分が必ず<当たりの親>の下に生まれられるとは限らないのと同じで、この世で作られる作品のすべてが自分の好みに合わせて作られることはないんだからさ。

『あんまり好ましいとは言えない親の下に生まれてしまう』

ことがあるのは事実。

『この世で作られる作品がすべて自分の好みに合わせて作られることはない』

のもまた事実。

そのことについてついつい愚痴をこぼしたくもなるのも確かにあるよね。

だから私は、自分の子供達のそういう愚痴に耳を傾けることで、他の誰かに八つ当たりしないで済むようにしてるんだよね。

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