208 / 1,084
『子供を一つの人格として敬えばこそ甘えさせる』し、『甘やかしというのは実は子供の人格を蔑ろにしてる』から、やらないようにする
しおりを挟む
家を飛び出して軍の施設に押し掛けた主人公だったけど、
「俺を軍に入れてくれ!」
と言っても、
「ダメダメ、お前、まだ成人してないだろ? 成人してない奴は親の同意書がなけりゃ軍には入れられない」
って門前払いされるんだよね。一応、同意書の書類は渡してもらえつつも。で、
『親、親、親って…! 親がそんなに偉いのかよ……!』
主人公は内心ではキレ倒すんだけど、そこで気付くんだよね。
『この世界じゃ、電話もまだない。手紙だって届かないことはしょっちゅうらしいし、もしかしたら……!』
悪知恵を働かせて、町に行って、まあ、ちょっとヤバい感じの路地に入って、そこで道端で寝てるホームレスに、
「あんた、字は書けるか? 書けるんならちょっと仕事しないか?」
みたいに次々声をかけて、字が書けるのを見つけ出してお金を渡して、<親の同意書>を偽造するんだよ。
で、それで通っちゃうんだ。正直、軍の方も建前でやってるだけだからね。書類の偽造がバレたらその時点でクビにすりゃいいだけだし、
『親の同意書まで偽造して騙そうとする奴が悪い。軍は被害者だ』
って考えてるのが実情。
だけどさ、<大人>なんてそんなもんでしょ? いくら偉そうなこと言ってたって、いつだって自分の責任をどうやって免れようか的なことを考えてるのが大多数じゃん。自分の周りの大人を見たってその実感しかないんじゃない?
だからさ、偉そうにしなきゃいいんだよ。自分もダメダメなんだから、
『子供は大人の言うことに従ってればいいんだ!!』
みたいに言わなきゃいいんだよ。逆にさ。そうすれば、単に、
『子供にはできないことが大人にはできる』
って部分だけでも十分に『すごい』って思ってもらえるよ。
それなのに、実は腰抜けで責任逃れすることばっかり考えてて、ちょっと旗色が悪くなれば言い訳並べて自己弁護で自分を正当化しようとする。そんなことしてるから子供の目にも、
『口では偉そうなこと言ってて本性はそれかよ!?』
とか思われちゃうんだよね。私が子供達に反発されないのは、偉そうにしなかったからなんだ。偉そうにはせずに、子供達をちゃんと<私とは別の人格>として敬うようにしたからだよ。
甘えさせるけど、甘やかすことはしない。
『甘えさせる』
『甘やかす』
その違いが分かる?
私としては、
『子供を一つの人格として敬えばこそ甘えさせる』し、
『甘やかしというのは実は子供の人格を蔑ろにしてる』から、やらないようにする。
って感じかな。
この世界の主人公の両親も、それを心に刻んでた。だけど、<信頼>ってやつはそう簡単には得られない。十数年間、前の世界で養親やその家族に徹底的に踏みにじられてきた主人公の信頼を得るには、十数年じゃまだ十分じゃなかったんだよね。
「俺を軍に入れてくれ!」
と言っても、
「ダメダメ、お前、まだ成人してないだろ? 成人してない奴は親の同意書がなけりゃ軍には入れられない」
って門前払いされるんだよね。一応、同意書の書類は渡してもらえつつも。で、
『親、親、親って…! 親がそんなに偉いのかよ……!』
主人公は内心ではキレ倒すんだけど、そこで気付くんだよね。
『この世界じゃ、電話もまだない。手紙だって届かないことはしょっちゅうらしいし、もしかしたら……!』
悪知恵を働かせて、町に行って、まあ、ちょっとヤバい感じの路地に入って、そこで道端で寝てるホームレスに、
「あんた、字は書けるか? 書けるんならちょっと仕事しないか?」
みたいに次々声をかけて、字が書けるのを見つけ出してお金を渡して、<親の同意書>を偽造するんだよ。
で、それで通っちゃうんだ。正直、軍の方も建前でやってるだけだからね。書類の偽造がバレたらその時点でクビにすりゃいいだけだし、
『親の同意書まで偽造して騙そうとする奴が悪い。軍は被害者だ』
って考えてるのが実情。
だけどさ、<大人>なんてそんなもんでしょ? いくら偉そうなこと言ってたって、いつだって自分の責任をどうやって免れようか的なことを考えてるのが大多数じゃん。自分の周りの大人を見たってその実感しかないんじゃない?
だからさ、偉そうにしなきゃいいんだよ。自分もダメダメなんだから、
『子供は大人の言うことに従ってればいいんだ!!』
みたいに言わなきゃいいんだよ。逆にさ。そうすれば、単に、
『子供にはできないことが大人にはできる』
って部分だけでも十分に『すごい』って思ってもらえるよ。
それなのに、実は腰抜けで責任逃れすることばっかり考えてて、ちょっと旗色が悪くなれば言い訳並べて自己弁護で自分を正当化しようとする。そんなことしてるから子供の目にも、
『口では偉そうなこと言ってて本性はそれかよ!?』
とか思われちゃうんだよね。私が子供達に反発されないのは、偉そうにしなかったからなんだ。偉そうにはせずに、子供達をちゃんと<私とは別の人格>として敬うようにしたからだよ。
甘えさせるけど、甘やかすことはしない。
『甘えさせる』
『甘やかす』
その違いが分かる?
私としては、
『子供を一つの人格として敬えばこそ甘えさせる』し、
『甘やかしというのは実は子供の人格を蔑ろにしてる』から、やらないようにする。
って感じかな。
この世界の主人公の両親も、それを心に刻んでた。だけど、<信頼>ってやつはそう簡単には得られない。十数年間、前の世界で養親やその家族に徹底的に踏みにじられてきた主人公の信頼を得るには、十数年じゃまだ十分じゃなかったんだよね。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ショタパパ ミハエルくん
京衛武百十
キャラ文芸
蒼井ミハエルは、外見は十一歳くらいの人間にも見えるものの、その正体は、<吸血鬼>である。人間の<ラノベ作家>である蒼井霧雨(あおいきりさめ)との間に子供を成し、幸せな家庭生活を送っていた。
なお、長男と長女はミハエルの形質を受け継いで<ダンピール>として生まれ、次女は蒼井霧雨の形質を受け継いで普通の人間として生まれた。
これは、そういう特殊な家族構成でありつつ、人間と折り合いながら穏当に生きている家族の物語である。
筆者より
ショタパパ ミハエルくん(マイルドバージョン)として連載していたこちらを本編とし、タイトルも変更しました。
学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~
トベ・イツキ
キャラ文芸
三国志×学園群像劇!
平凡な少年・リュービは高校に入学する。
彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。
しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。
妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。
学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!
このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。
今後の予定
第一章 黄巾の乱編
第二章 反トータク連合編
第三章 群雄割拠編
第四章 カント決戦編
第五章 赤壁大戦編
第六章 西校舎攻略編←今ココ
第七章 リュービ会長編
第八章 最終章
作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。
※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。
神に愛された子供たち
七星北斗
キャラ文芸
この世界は神が存在し、特殊能力を持つ人間が存在する。
しかし全ての人間が特殊能力を持つわけではない。
無能と呼ばれた主人公の戦いがここから始まる。
なろう↓
https://ncode.syosetu.com/n6645fm/
ノベルアップ↓
https://novelup.plus/story/503317569
カクヨム↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894599135
【完結保証】ダックダイニング店舗円滑化推進部 ~料理は厨房だけでするものじゃない!~
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
キャラ文芸
定食屋の娘であるが、手首を包丁で切ってしまったことがトラウマとなり料理ができなくなったことで、
夢だった実家を継ぐことを諦めた木原希美。
彼女はそれでも飲食業に関わることを諦められず、
飲食店経営会社の事務職として勤めていた。
そんなある日、希美が配属されることとなったのは新しく立ち上げられた『店舗円滑化推進部』。
その建前は、店舗と本部の交流を円滑にしたり、本部の部署同士の交流を活性化したりするという、実に立派な物だった。
くわえて会社では初の試みとなる本部直営店舗のオープンも、主担当として任されることになっていた。
飲食店を盛り上げたい、ごはん・料理大好きな希美はこれを大いに喜んでいた。
……しかし配属されてみたら、そこは社内のお荷物ばかりが集められたお飾り部署だった!
部長や課長は、仕事に対してまったく前向きではない。
年の近い先輩である鴨志田も、容姿端麗なイケメンで女子社員からの人気こそ集めていたが……
彼はとにかくやる気がなかった。
仕事はできるが、サボり魔だったのだ。
だが、劣悪な環境でも希美はあきらめない。
店舗のため、その先にいるお客様のため、奮闘する。
そんな希美の姿に影響を受け、また気に入ったことで、
次第に鴨志田が力を貸してくれるようになって――――?
やがて希美の料理への熱い思いは、
お店に携わるさまざまな人間の思いを引き出し、動かしていく。
その過程で二人の仲も徐々に深まっていくのであった。
料理は厨房だけでするものじゃない。
お店で料理が提供されるまでの過程を描いたドラマ。関西弁も随所で発揮?
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、騎士見習の少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる