上 下
192 / 1,084

何でもかんでも他人の所為にして攻撃して

しおりを挟む
人間ってさ、自分に都合の悪いことがあると、ついつい他人の所為にしたくなる生き物じゃん? 

もちろん、自分の所為にばかりしすぎて追い詰められるのもマズいけど、だからって何でもかんでも他人の所為にして攻撃して、それで何が解決すんの?

自分の作品にやたらと口出ししてくる読者の所為にして、読者が変わってくれるとでも思ってるの?

『自分は客だ!』ってキレられるだけだと思うけど?

編集や出版社の所為にして、編集や出版社が変わってくれるとでも思ってるの?

よっぽどの売れっ子でもない限り、切り捨てられるだけだと思うけど?

だからさ、<他人の所為>にしてても何も解決しないんだよ。自分が選んでそうなったものじゃない場合は、確かに<自分の所為>と考えようにも限度があるけど、『創作者になる』と決めたのは、やっぱ、自分じゃん? 自分のその選択に責任も持てなくて『何が大人?』って話だと思うんだよ。

だけど同時に、受け取り側も、発表される創作物がすべて自分の好みに合わせるべきだというのは、<子供の発想>だよ。先にも言ったように雛鳥よろしく提供されるものを口を開けてただ待ってるだけなんて、<自立してる人間>のすることじゃない。

無数の創作物の中から、自分の好みに合うものを自分で探すんだよ。それをするためには、好みに合わないものに構ってる暇なんてないはずだよ? 好みに合わない作品に粘着して叩くなんてのは、要するに、

『創作物を楽しみたい』

んじゃなくて、

『自分の気に入らない創作物を叩いて憂さ晴らししたい』

っての自体が目的ってことじゃん。そんなの、<お客>ですらない。ただのクレーマーだよ。

私はそんなことをしてる時間も惜しいから、他の創作者さんの作品についてあれこれ言わないってのもある。

何より、

『文句があるなら自分で作る』

だしさ。

そして自分で作ってみるとその難しさも分かる。

かつて、<漫画の神様>って言われた漫画家さんは、他の人の作品に対抗心剥き出しだったりしたらしいけど、そこで、

『自分の方が面白い漫画が描ける!!』

って言って挑戦してみたっていうのがすごいと思う。批評家気取りであれこれ言うだけじゃなくてさ。

そもそも、<批評家>自体、

『他人の褌で相撲を取ってる』

てやつだよね。だって、他人の作品あってのものだし。

別に、批評家って仕事を馬鹿にしたいんじゃないよ。あくまで、

『個人の主観として述べる』

ってのをわきまえてるなら、

『なるほどそういう見方もあるのか』

とは思えるし。

だけど、

『こうした方が面白くなる!!』

とか言い出すと、

『じゃあ、どうしてあなたはその通りに作らないんですか?』

って話になるんだよね。

ほら、私がもし、他の人の作品を挙げて、

『こうした方が面白くなる!!』

って言ったら、

『じゃあ、お前がその通りに作ってみせろよ!!』

って話になるじゃん。

結局、そういうことなんだよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

イケメン歯科医の日常

moa
キャラ文芸
堺 大雅(さかい たいが)28歳。 親の医院、堺歯科医院で歯科医として働いている。 イケメンで笑顔が素敵な歯科医として近所では有名。 しかし彼には裏の顔が… 歯科医のリアルな日常を超短編小説で書いてみました。 ※治療の描写や痛い描写もあるので苦手な方はご遠慮頂きますようよろしくお願いします。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十
キャラ文芸
もう収集つかないくらいにとっ散らかってしまって試行錯誤を続けて、ひたすら迷走したまま終わることになりました。その分、「マイルドバージョン」の方でなんとかまとめたいと思います。 なお、こちらのバージョンは、出だしと最新話とではまったく方向性が違ってしまっている上に<ネタバレ>はおおよそ関係ない構成になっていますので、まずは最新話を読んでから合う合わないを判断されることをお勧めします。     なろうとカクヨムにも掲載しています。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

処理中です...