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レクリエーション
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女流ラノベ作家<蒼井霧雨>。
本名<桐佐目葵>。年齢は内緒。
デビュー作<陰キャ少年のアラサーハーレム無双>が異例のヒットを飛ばしたことで同人作家からプロ作家へと転身した。
ただし、彼女が書くラノベは非常にクセが強く、読者を選ぶため、必ずしもメジャーとは言い切れない作家だった。しかし同時に、熱心な読者もついており確実な売り上げが見込まれることから、出版社にとってはありがたい存在でもある。
とは言え、作家としての蒼井霧雨も大変にクセが強くて扱いが難しいことで、編集部も対応に苦慮していることも事実だった。
しかし、現在彼女を担当している編集者がついてからは、その担当編集が実に巧く手綱を握ってくれており、正直言って丸投げする形ではあるものの安定しているのも事実である。
が、
「お前ら出版社は、<創作>というものの本質を理解しておらん!」
「先生の<創作論>はあくまでアマチュアのそれです! 先生は仮にも<プロ>なんですから、ただの自己満足ではなくて<商品になる作品>を仕上げてください!」
と、今日も喧々諤々意見をぶつけ合っていたのだった。
そして最後に、
「とにかく今回の原稿はすべてボツです! <売り物>になるものを見せてください! 分かりましたね!?」
担当編集である<月城さくら>はそう捨て台詞を残して編集部へと帰っていった。
こうして、
「ミハエル~、慰めて~!」
へと繋がるのである。
女流ラノベ作家<蒼井霧雨>として他人の前に出る時には彼女は、
<扱いの難しい作家先生キャラ>
が前面に出て、編集者を戸惑わせるのだ。
けれど、現在の担当者である月城さくらだけは、そんな彼女を前にしても一歩も下がることなく、真っ向から渡り合って見せた。
そんな二人がやり合ってる気配を、悠里や安和や椿はいつも感じているものの、すでに慣れっこなのか、
「またやってる」
「よく飽きないよね~」
「ホントは仲良しのクセにね」
などと呆れたように言葉を交わしていた。
そう。三人が言うとおり、仕事の上では遠慮なくぶつかりあったりするものの、実は作家<蒼井霧雨>と担当編集<月城さくら>はそれだけ息の合ったパートナーでもあった。
二人は互いに信頼しあっているからこそ、本音でぶつかることもできるのである。二人のそれは、ある意味、<レクリエーション>でもあった。だから子供達も怖がったりしない。
しかも、
『そんな風にぶつかり合えるのは信頼しあってるからこそ』
というのを、蒼井霧雨も月城さくらもちゃんと子供達に伝えていたのだった。
そして二人のフォローは、蒼井霧雨の夫であり、子供達の父親である、ミハエルの役目でもあった。
本名<桐佐目葵>。年齢は内緒。
デビュー作<陰キャ少年のアラサーハーレム無双>が異例のヒットを飛ばしたことで同人作家からプロ作家へと転身した。
ただし、彼女が書くラノベは非常にクセが強く、読者を選ぶため、必ずしもメジャーとは言い切れない作家だった。しかし同時に、熱心な読者もついており確実な売り上げが見込まれることから、出版社にとってはありがたい存在でもある。
とは言え、作家としての蒼井霧雨も大変にクセが強くて扱いが難しいことで、編集部も対応に苦慮していることも事実だった。
しかし、現在彼女を担当している編集者がついてからは、その担当編集が実に巧く手綱を握ってくれており、正直言って丸投げする形ではあるものの安定しているのも事実である。
が、
「お前ら出版社は、<創作>というものの本質を理解しておらん!」
「先生の<創作論>はあくまでアマチュアのそれです! 先生は仮にも<プロ>なんですから、ただの自己満足ではなくて<商品になる作品>を仕上げてください!」
と、今日も喧々諤々意見をぶつけ合っていたのだった。
そして最後に、
「とにかく今回の原稿はすべてボツです! <売り物>になるものを見せてください! 分かりましたね!?」
担当編集である<月城さくら>はそう捨て台詞を残して編集部へと帰っていった。
こうして、
「ミハエル~、慰めて~!」
へと繋がるのである。
女流ラノベ作家<蒼井霧雨>として他人の前に出る時には彼女は、
<扱いの難しい作家先生キャラ>
が前面に出て、編集者を戸惑わせるのだ。
けれど、現在の担当者である月城さくらだけは、そんな彼女を前にしても一歩も下がることなく、真っ向から渡り合って見せた。
そんな二人がやり合ってる気配を、悠里や安和や椿はいつも感じているものの、すでに慣れっこなのか、
「またやってる」
「よく飽きないよね~」
「ホントは仲良しのクセにね」
などと呆れたように言葉を交わしていた。
そう。三人が言うとおり、仕事の上では遠慮なくぶつかりあったりするものの、実は作家<蒼井霧雨>と担当編集<月城さくら>はそれだけ息の合ったパートナーでもあった。
二人は互いに信頼しあっているからこそ、本音でぶつかることもできるのである。二人のそれは、ある意味、<レクリエーション>でもあった。だから子供達も怖がったりしない。
しかも、
『そんな風にぶつかり合えるのは信頼しあってるからこそ』
というのを、蒼井霧雨も月城さくらもちゃんと子供達に伝えていたのだった。
そして二人のフォローは、蒼井霧雨の夫であり、子供達の父親である、ミハエルの役目でもあった。
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