未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

メイフェア編 リリエ・エグレン

＜リリエ・エグレン＞

惑星探査チーム・コーネリアスのメンバーの一人で、縮退炉関連のエンジニアだった女性。

「リリエ……」

竜生りゅうきが人間に近いプロポーションを持っていたことで分かっていたが、やはり自分達の仲間の一人の遺伝子を持っていると確認されて、シモーヌ達も神妙な表情になった。

だから、人格や記憶や意識はリリエ・エグレンのものが再現されていなかったとしても、無意識のうちにコーネリアス号を目指していた可能性は否定できなくなったわけだ。もっとも、実際にそういう話に持っていくためには、

『どうやってコーネリアス号の位置を知ったか？』

が重要になってくるけどな。正確には、

＜コーネリアス号と自分の位置関係＞

と言った方がいいのか。コーネリアス号自体は不時着した場所から動いていないわけで、それと自分の位置関係が判明しなければ、向かうも何もない。どっちに行けばいいのかさっぱり分からないだろうし。

なのに竜生りゅうきはほぼ正確にコーネリアス号の方に向かって移動していた。まあそれ自体、実は他の理由で移動していたのがたまたまそうだった可能性も十分にありつつだが。

これについても竜生りゅうきが死んだことでおそらく永久に解明されることはなくなったんだろう。

その一方で、解剖の結果、竜生りゅうきは＜雌＞である可能性が高くなった。＜子宮＞と思しき臓器が確認されたんだ。もっとも、人間のそれとはかなり異なっていて、やはり鵺竜こうりゅうのものに近かったとのこと。

そして、

「ビアンカと同じく、部位によって異なる遺伝子が検出されているね」

レックスが口にしたのは、竜生りゅうきもまたビアンカと同じく＜自家受精＞によって子を生す可能性があったと示すものだった。だからこそ残念とも感じる。＜危険な獣＞であるのは事実でも、コーネリアス号を目指して移動していたのが事実であったとしても、＜竜生りゅうきの子＞までもがコーネリアス号を目指して移動してくるとは限らない。とすれば、牙斬がざんや夷嶽いがくがそうであるように、十分な距離を確保できていれば穏当に共存することだって可能だったはずなんだ。

とはいえ、大前提として、

＜生物として生き続けることができる成り立ち＞

を持っていなければそもそも存在を続けることもできないのもまた事実。

「比較対象が存在しないから断言はできないが、多くの臓器に病変と思しき違和感が見受けられるね。あくまでも人間を含めた他の動物の臓器と比較しての印象だが」

レックスがそう口にしたように、＜多臓器不全＞が竜生りゅうきの死因だったようだな。