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第四世代

メイフェア編 教科書

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ロボットはあくまで、

<自身に与えられ設定された役目>

を果たしているだけだ。<人間によって作られた道具>として。

しかしその事実は、

<ロボットを労わない理由>

にはならないと俺は思ってる。

『役目なんだからそれを果たすのは当たり前であっていちいち労う必要はない』

とか考えていたから様々な問題が生じてきたんじゃないのか? 

『家を守る』

とか、

『外で仕事をする』

とかを<やって当たり前のこと>だと考えて労おうとしなかったために<不満>が蓄積されてやがてそれが爆発して<家庭崩壊>に繋がったなんてこともあったんじゃなかったか?

もちろんロボットは『心や感情を持たない』がゆえにそれを不満に感じたりもしないにしても、ここまで人間のために尽くしてくれているという事実を前にして『当たり前のことだから労わなくていい』と考えられるってのは、結局は人間相手でもそう考えてしまいがちになる気がして仕方ないんだよな。

ましてやロボットは人間が労うような振る舞いを見せれば謙遜するような反応を返すだけで、<拒絶するような態度>までは見せないし、

『労って損した』

なんて思われないようにしてくれるんだよ。

対して人間は確かにわざわざ労ったのにそれを無下にするような態度を取ることもあったりはする。そんな態度を取られたらいい気はしないだろう。そういう事例もあるだろうが、だからといって『労わない』というのは最終的に自分に返ってくると思うんだ。それはもったいないじゃないか。

だからこそロボットを労うということで普段から<相手を労うことの練習>にもなるんじゃないか? まあ、ロボットが好ましい反応を返してくれるからこそそれをしてくれない人間については『労うなんて馬鹿馬鹿しい』と感じてしまったりもするかもだが。

その辺は悩ましいのも事実ではありつつ、ロボットが返してくれる<好ましい反応>に触れることでそれを<手本>にしたりもできるんじゃないか? 

『どう反応すればいいのか分からない』

なら、そこを参考にするという手もあると思うんだよ。そのためにもロボットには、

<人間が好ましいと感じる振る舞い>

が元々組み込まれてるわけで。

かつての俺のようなひねくれた人間はそれにさえ穿ったものの見方をしていたりしたが、そこまでなのも少数派だから、十分に参考にできる可能性はあるさ。

そのためにも、これからもロボットは活かしていきたいと考えてる。

<動いてその場で受け答えしてくれる教科書>

としてな。

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