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第四世代

メイフェア編 自己防衛の手段の一つ

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とどろきのサポートを行いつつ、旭音あきねの相手をしつつ、メイフェアはほまれのことも気遣ってくれていた。

もちろん常に寄り添っているわけじゃないものの、センサーの感度を高く維持し、彼のバイタルを常時モニターしてくれているんだ。

そのデータは俺の方にも送信されている。素人の俺にはデータの見方はよく分からないが、若かった頃のデータと突き合わせれば変化は一目瞭然だ。それが<衰え>を表してるのかそうでないのかの区別がつかないだけで。

「とはいえ、データを見る限りだと健康だとは思うよ。少なくともこれまで蓄積されたパパニアンのデータとの比較だとさ」

「そうみたいだな」

シモーヌが告げてくれるのを、俺も素直に受け入れる。人生の最終盤ともなればそりゃ体だってガタがくる。みんなそうだった。しかしその<ガタ>をひた隠しにするのが野生の生き物だというだけだ。そして、

「このまま穏やかに過ごしてほしいよな……」

あらたの最後が頭をよぎってしまって、思わず本音が出てしまう。親として我が子に先立たれること自体が<痛み>そのものなのに、その最後があれだとな……

もちろん、あらたの最後が<ただの不幸>というわけじゃないとは思ってる。レトやルナを守ってのことだったんだから、彼自身も納得してるとは思うんだ。思うんだが、やっぱり感情の点では今も受け止め切れていない面も確かにあって、理性で納得しようと努めてるだけだというのは間違いなくあるんだよ。

<起こってしまったこと>は決して<なかったこと>にはならないし。

そうだ。<なかったこと>にならない以上、どこかで受け止めなきゃいけない。人間(地球人)の中にはそれを受け止められず自身の意識の中でのみ<なかったこと>にして精神の平穏を得ようとするのが少なくなかった。それ自体は<自己防衛の手段の一つ>としてはやむを得ない部分もあると俺も承知してる。誰もが現実と向き合えるとは限らないのも分かってるさ。俺と同じようにしろとは言わないし言えないのも。

ただ、その結果としてかえって傷を大きくしてしまう事例だってあるはずだ。俺の場合は、

あらたの最後を貶めたくない』

という気持ちも大きいわけで。

ところで、あらたの話が出たついでに触れておくと、<竜生りゅうき>のことは今でもしっかりと捕捉してる。してるからこそ現状では<観察>しているだけだ。レックスがメインでな。

その竜生りゅうきは、あれからずっと、どこかを目指して進み続けていた。<コーネリアス号の乗員の誰か>であることを窺わせる様子は相変わらずないが。

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