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第四世代

焔と彩編 人間の側の落ち度

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だから俺は、誰かがレトやルナを咎めるようなことをするのを許さない。もちろん俺自身が、

『あの時、ルナがパニックを起こさなければ……』

『レトがあの場にいなければ……』

と思ってしまいそうにはなるが、しかし俺はそんな自分を肯定したいとは思わないんだ。結果的にあらたが命を落とす原因になったんだとしても、別に何か悪ふざけをしていてそうなったわけじゃない。パパニアンの習性としては特におかしなことでもなかったからな。

ゆえに敢えて言うなら、

『間が悪かった』

としか表現しようがないんだよ。<原因>ではあってもそこに<責任>はない。

加えて、マンティアンや竜生りゅうきについても咎めだてするつもりもない。野生の獣のすることに憤るのはやっぱり思い上がりというものだろう。人間というものを特別視するからこそのものだと思う。

そのマンティアンも竜生りゅうきも、すでにアカトキツユ村から遠く離れている。竜生りゅうきにとってはそもそも何の関係もない話だったし、マンティアンについてもあの後、ホビットMk-Ⅱらによって追い払われている。<あらたの仇>であることは事実でも、

『ああいう状況になれば当然そうするよな』

というのがはっきりしているし。人間(地球人)同士の諍いのような、

『互いにわきまえていればそうはならない可能性もある』

のとは根本的に違う。元より<悪意>がない。<害意>がない。どこまでいってもただの<習性>だ。<恐ろしい外敵>なのは事実でも、マンティアン自身は悪くない。責めなければいけない理由がない。何度も言うように拙い点があったとすればあくまでもこちら側の備えの問題だ。

『人食いの獣を放置するのか!?』

みたいなことを言うのもいるだろうが、マンティアンは元々<人食いの獣>なんだ。人間(地球人)がよく期待する、

『互いに分かり合える』

なんてことは有り得ないが、そんなことを考えること自体が<人間(地球人)の悪癖>なんだから『別の種である』のを理由に過度に敵視するのも筋違いってもんだろうさ。

人間のように物理的な距離を無意味なものにする力を持たない野生の獣相手なら、しっかりと距離を取れば何も危険はない。野生の動物を可愛がろうとして近付いていって被害に遭ったのならそれは人間の側の落ち度だしな。噛み癖のある犬だと分かっていて手を出して噛まれたなら、そんなものは『自分が悪い』だろ? 犬は悪くない。噛まないように躾けられていないのも飼い主の落ち度なわけで。

こうして俺は、自分を納得させていくんだ。

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