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第四世代

焔と彩編 距離感

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新暦〇〇四十年二月十六日



そんなほむらさいと同じく、アカトキツユ村で暮らすあらたとレトとルナも、レトとルナが互いをパートナーと認めてつがったりという変化はあっても、基本的には穏やかで代わり映えのしない毎日を過ごしていた。

レトとルナが仲睦まじくイチャイチャしていても、あらたはそれを気にしている様子もない。

ちなみにレトとルナは、番うにあたって、アカトキツユ村内にある別の木を自分達の寝床としたようだった。元々の木は<あらたの寝床>だからな。<群れ>としてはそのままでも、寝床となる木についてはそうなるさ。普通のパパニアンの群れでもそれが一般的だ。

まあ人間(地球人)で言うと、

『結婚して家を出つつも実家のある町内に新居を構えた』

みたいな感じか。

そんなあらたとレトとルナが暮らすアカトキツユ村は、<あんず>と<ますらお>が開拓と管理を担当している。そして今ではホビットMk-Ⅱも派遣して、それなりの規模の集落になっていた。

そうだな。

<数十人の人間が暮らす集落>

といった感じか。さすがにアリニドラニ村に比べれば控え目ではありつつ、それでも人間が穏やかに暮らしていくだけなら十分なものになってると思う。

元々は俺達とは相容れない価値観を持つ人間が現れた時に、穏当に共存していくための距離を確保するのを目的に準備を始めたものだったが、幸いここまでそういう事態には特に至らず、それぞれの生活を作っていくために親族が暮らしているという感じになっているだけだな。

離れて暮らしているのもお互いに気を遣いすぎないようにするため程度の意味合いだし。

ルイーゼが俺達と距離を置いているのも、彼女の性格上、人間関係に煩わされない方が調査研究が捗るというだけであって、別に<険悪な間柄>というわけでもない。加えて斗真とうまとの暮らしを邪魔するのも野暮ってもんだろ。

決してベタベタするわけじゃないが、そのための距離は取るが、関係性そのものは悪くないと思ってる。

まあそれこそが、

『適度な距離を取れてるおかげ』

というのもあってのものかもしれないが。

あらたも、まさに今、レトやルナと多少の距離をとって 2人の暮らしの邪魔をしないようにしてるところだな。

レトやルナと一緒に暮らしていた分、あらた達の方が多少は<イベント>もある様子だったにせよ、仲のいい若い男女が順調にお互いの気持ちを育んでいる微笑ましい光景がただただ繰り広げられていただけで、これまた代わり映えのしない日常の風景が見られてただけではある。

これまで何度か簡単に触れた内容がすべてと言っていいかもしれない。

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