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第四世代

凛編 おつかれさま

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新暦〇〇四十年二月四日



そうして、<単なる日常の一コマ>としてそうが自らの命を終えた翌日、今度はしゃくが息を引き取った。

十二時間の経過観察により蘇生の可能性が完全になくなったのを確認した上でそうの亡骸を埋葬している最中さなか

しゃくが息を引き取りました」

と、アンデルセンからの連絡を受けたエレクシアが報告を。

「な……?」

さすがにこれには俺も虚を突かれた感じだった。『まさか』と思った。生きている以上はその可能性だって別にゼロじゃないとはいえ、本当にそんなことも起こるんだなとは思わされたよ……

ただ、しゃくそうよりもそれなりに年上だったしな。順番で言えば本来ならしゃくの方が先でもおかしくなかったはずだが、まるでそうが亡くなったことで生きる気力を失ったかのように力尽きたようだ。

最初は反目していても、そうにとっての一番はけいであっても、しゃくそうを愛していたんだな……

そしてこれにもかいは悲しんだ。そうを悼んで上げていた遠吠えがやんだ途端のそれで、再び遠吠えを上げる。

しゃくはあくまでそうのパートナーの一人だったが、なんだかんだ言ってもかいにとってももう<家族>のようなものだったし。

最初はそうと共にイジメられもしたものの、力を認められてからは一緒に群れをまとめ上げてくれていたんだ。まあ、しゃくの方はかいにはまったく興味もなかったようだが。

それでも家族のようなものだった事実は消えない。そのこととかいの認識とは関係がない。一緒に暮らしていて意地悪でもされていたならともかく、そうじゃなかったわけで。

「……」

そんなかいを、けいは冷淡にも見える目で見つめていた。彼女にとっては<パートナーの弟>であり、パートナーと共に群れを支えていた存在ではあっても<レオン>としてはけいの方がずっと『普通』だからな。かいの方が『普通じゃない』んだ。

ここまで仲間の死に感情的になるのは<普通のレオン>じゃないんだよ。

だが、それでいい。それで何も問題はない。普通だろうと普通じゃなかろうと、どっちでも構わない。かいかいだし、けいけいだ。

三人にとってそうはかけがえのない存在だった。しゃくが後を追うように亡くなったのも、かいが遠吠えを上げたのも、けいが気丈に振る舞っているのも、中心にいたのがそうだったからだろうな。

たとえドラマチックな最後でなくても、そうの生涯そのものはドラマチックなものだったと思うよ。

だからこそ最後は穏やかに迎えてほしかったし、そのとおりにしてくれたと思う。

親として誇らしいし、安堵する。

おつかれさま。そうしゃく

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