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第四世代

凛編 元の家族

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新暦〇〇四十年一月三十日



りんの家族>だけが残り、ある意味じゃ元に戻ったとも言える群れだが、それでも家族自体が増えているからな。完全に昔に戻ったわけじゃない。

加えて、皆、むしろ穏やかな様子だった。特にほうは満足気かつホッとした表情をしているように感じる。彼女にとっては最も好ましい結果だったんだろう。

<一般的なレオン>としては決して好ましいとは言えないはずだ。小規模な群れじゃ他のレオンの群れやオオカミ竜オオカミなどの外敵に対抗するには厳しいからなあ。普通なら『間違ってる』と言えるだろうな。

だが、先にも触れたとおり、野生には<明文化された法>や<厳格なルール>は存在しない。なにをしようとどんな選択をしようと咎められる筋合いはない。上手くいかなければ自身の命も含めてすべてが失われる可能性があるというだけだ。

しかし、

『絶対に上手くいかない』

というものでもない。<生き物の種>というのは、本質的にそういう形で生き延び、繁栄を続けてきた。環境の変化等があった際には、

<本来ならやらないこと>

をやることで生き延びる者もでてくるんだ。

もちろんそれが結果的に失敗に終わる場合も当然のこととしてある。あるが、<本来のやり方>ではどうにもならなかった時に、

<起死回生の一手>

になることも確かにあるんだよ。

まあもっとも、りん達の場合は、

<俺の親族>

というのが何より強力な後ろ盾になってるけどな。だから実際には、どんな無茶をしても帳尻を合わせることはできてしまう。

りん達にはそういう発想がないだけだ。<人間(地球人)>と違って。

号機をけしかける程度のことは思い付くとしても、そうなると今度は俺が号機に待機を命じるけどな。

りん達を守ることについては躊躇わないが、だからといって他者を侵害する行いに加担するつもりはないんだよ。それを許すつもりもない。

いくら<俺の子供>であっても、いや、俺の子供だからこそそれを許すつもりはないんだ。

『子供が自立したらもう親に責任はない』

と地球人はよく言うが、その考え方は、これまで何度も触れてきたように俺の実感とはかけ離れているな。

俺の子供達は全員、俺の勝手でこの世に送り出したんだ。俺の<選択の結果>そのものだ。それが理不尽に他者を害するなら、元々の原因を生み出した俺に責任がないわけないだろう? 

もっとも、そもそもそんなことをする必要そのものを与えてこなかったし、実際、俺の子供達が他者に対してそこまで理不尽なことはしてこなかったのも事実だけどな。

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