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第四世代

凛編 真似できない動き

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俺自身、

『自分の判断で巨大人型ロボットを作ってみたい』

という願望はないわけじゃない。ないんだが、

「現時点で入手可能な素材では、歩かせるだけで崩壊しますよ」

エレクシアはそれこそ身も蓋もない<結論>を突き付けてくる。彼女のAIが、それどころかコーネリアス号や光莉ひかり号のAIで何度計算しても、

『自立歩行が可能な強度を確保することはできない』

という結果しか導き出せないんだ。確かにイベントなどで巨大人型ロボットが実際に展示されたりしたものの、それはあくまで、

『今の地球人社会で手に入る素材と技術を用いたことでようやくそれなりに形になっているだけ』

なんだよ。

かつて二十一世紀頃には全高二十メートルほどの巨大人型ロボットを再現して動作させたりもしたらしいが、残念ながらそれは決して<自立>しているわけじゃなかったらしいな。あくまでも強固な構造物に頑強に接続された状態で手足を動かしていただけだとも。

あれだ、

<動く看板>

と同じだ。カニの形をしたものとかが有名だったそうじゃないか。それをぎりぎりまで大きくして巨大人型ロボットの形をさせているだけでしかないということだな。

まあそんなのなら、今の時点でも再現は不可能じゃない。する意味がないからやらないだけだ。俺が作りたいのは、

<自分の足で立って人間のように動いて戦うことすら可能な巨大人型ロボット>

なんだから。そうじゃなきゃ作る意味がない。<アトラクション>にしようにも観客も少ないし、商業的にも成立しないし。

世知辛いが、これが現実ってもんだ。



なんて余談はさておいて、左右から同時に若いレオンの雄二人に飛び掛かられても、号機は当然のごとく『慌てる』なんてこともなく、それぞれにマニピュレータを伸ばし、軽くあしらって見せた。

その動きは、完全にどちらに対しても意識を向けて的確に対処したものだった。それこそ、

『体は一つなのに意識が二つあってそれぞれが役割を分担した』

ようにも見える。

人間を始めとした<生き物>であれば決して真似できない動きだった。

昔のフィクションのロボットは、特に人型ロボットは、対象に頭を向けて『見よう』としたり、驚いてビクリと体を反応させたりしたそうだが、と言うか、今でも実はそういうフィクションは少なくないが、それはあくまで見る側に状況を掴みやすくさせるための<演出>でしかない。<本物のロボット>は、『見る』ために頭を動かす必要もないし、生き物の<反射>のような動きは必要ないんだ。

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