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第四世代

ホビットMk-Ⅱ編 攻撃の意図

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こうして、たくましささえ感じさせる、固い木の実を次々と噛み砕く音をさせつつ、ルカニディアの少女はさらに密林の中を進んだ。

その身のこなしも、まったく危なげなくて、まるで普通に散歩しているだけのようにさえ思える。

彼女にとっては生きるためにしてることのはずなんだけどな。

そんな中で他のルカニディアの姿を見掛けて、

「……」

警戒してる様子を見せたりもしたものの、それは相手も同じだったものの、しばらく見つめあった後で、どちらともなくふいと視線を外して何事もなかったかのようにそれぞれまったく別の方向に歩き出した。

これがマンティアンだと、下手すれば命の取り合いにもなるけどな。

もっとも、そんな形で平和的に収まったように見える光景も、レックスに言わせると、

「これはお互い相手に攻撃の意図がないことを確認できたからこそのものだね。警戒はしつつも双方が攻撃の体勢を取らなかったことで回避された衝突だ。それが彼らなりの折り合い方なんだろう」

とのことだった。それについては俺も実感がある。分かりやすく身構えなくても、攻撃に移るための力が込められているかどうか、察することができるんだ。

今では俺もなんとなく感じ取ることができるようにもなってきた。

もっとも、感じ取れたところで確実にそれに対処できるだけの能力がないから、どうにもならないけどな。

そういうのは、そもそも活かせる基礎的な能力があってこそだと思い知らされるよ。

その点、このルカニディアの少女にはそれだけの能力が備わってるということだ。だからここまで生きてこられた。

あくまで、

『それだけの能力が備わっていてもなお、及ばないこともある』

というだけだ。だからこそ命を落としもする。そういう意味では、彼女は運が良かったというのもあるんだろうな。

それも含めて生き延びてくれたことで、こうして出会うことができた。

めいの面影を持つ少女>

にな。

その所為でもうすでに、

<ただの観察対象>

として以上の気持ちで見てしまっているというのも、自覚はしている。

めいに似てるもんね」

シモーヌからもそう冷やかされる始末だ。それでも、

「まあな。<他人の空似>だとしても、気になってしまうことは確かだよ」

俺としても素直にそれを認める。素直にそれを認めても大丈夫な相手だしな。シモーヌは。

するとシモーヌも、

「そうね。私としても他人のような気がしないのはある」

と口にした上で、

「それに加えて、実際に遺伝的な繋がりがある可能性については強い関心もあるのも正直なところかな」

語ったんだ。

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