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第四世代
丈編 捉え方
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新暦〇〇三八年六月十五日
四年ほど前に晴と対峙したドーベルマンMPM四十号機とほぼ同等の性能を獲得したホビットMk-Ⅱは、実に頼もしい存在になってくれていた。
最初はそれこそ、
『生身の地球人と同等程度のマンパワーを確保できれば御の字』
程度のつもりだったんだが、機体の強度をさらに上げるのは現在発見されている素材では容易ではなくても、機体の強度や剛性に依存する部分の性能を上げるのは困難でも、ここで人間として生きるのを担保してもらうにはもう十分以上の存在になってくれている。
後は、社会の規模に合わせて数を揃えていけばいいだけだ。
しかし、そのために必要な資源を得るために開発した<鉱山>はもう現時点でもすでに大きな口を開けている状態になっていて、人間が普通に暮らすだけでも大変なリソースが必要になる事実をまざまざと見せ付けてくる。
だからこの上、人間同士で争ってそのためのリソースを無駄に浪費するというのは、利口な人間のすることじゃないだろう。
そんなことを改めて感じつつ、今は晴の樣子を見る。
と言っても、彼も実に淡々と変わり映えのしない毎日を送っていて、取り立てて触れるべきことがない。
しかも、四十号機との一件でロボットを相手にしても得るものがないと悟ったか、新たに配備されたホビットMk-Ⅱと遭遇しても関わろうともせず、スルーしてくれる。
結局はそれが大事なんだ。余計ないざこざを起こさないのが自分を守る一番の近道だってことだな。
ましてや相手が攻撃的でないのならわざわざ自分から仕掛ける必要もない。
野生の場合は、それこそ相手から攻撃してくることも少なくないし。
だからまずは逃げるんだろうな。逃げることで必要のないリスクは回避する方を選ぶ。
なお、晴の実の兄である鋭は、そもそもロボットを敵とは見做してない。マンティアンとしての生き方もかなり放棄しているとも言えるわけで。
なにしろ、地球人そのままの姿をした玲と番い、メイを迎えたりもしたくらいだから、もう普通のマンティアンではなくなってしまっているとさえ考えられるかもしれない。
それに比べれば、鋭や晴にとっては<叔父>にあたる丈は、晴と同じく真っ当なマンティアンとして生きているしその子供達である淕と游煉もしっかりとマンティアンらしいと言えるだろうか。
こうやってそれぞれ違う生き方をしていても、誰が立派で誰が立派じゃないという捉え方は、俺はしない。したいとは思わない。
地球人の思う<優劣>は、野生においてはおよそ何の意味もないというのが分かるしな。
四年ほど前に晴と対峙したドーベルマンMPM四十号機とほぼ同等の性能を獲得したホビットMk-Ⅱは、実に頼もしい存在になってくれていた。
最初はそれこそ、
『生身の地球人と同等程度のマンパワーを確保できれば御の字』
程度のつもりだったんだが、機体の強度をさらに上げるのは現在発見されている素材では容易ではなくても、機体の強度や剛性に依存する部分の性能を上げるのは困難でも、ここで人間として生きるのを担保してもらうにはもう十分以上の存在になってくれている。
後は、社会の規模に合わせて数を揃えていけばいいだけだ。
しかし、そのために必要な資源を得るために開発した<鉱山>はもう現時点でもすでに大きな口を開けている状態になっていて、人間が普通に暮らすだけでも大変なリソースが必要になる事実をまざまざと見せ付けてくる。
だからこの上、人間同士で争ってそのためのリソースを無駄に浪費するというのは、利口な人間のすることじゃないだろう。
そんなことを改めて感じつつ、今は晴の樣子を見る。
と言っても、彼も実に淡々と変わり映えのしない毎日を送っていて、取り立てて触れるべきことがない。
しかも、四十号機との一件でロボットを相手にしても得るものがないと悟ったか、新たに配備されたホビットMk-Ⅱと遭遇しても関わろうともせず、スルーしてくれる。
結局はそれが大事なんだ。余計ないざこざを起こさないのが自分を守る一番の近道だってことだな。
ましてや相手が攻撃的でないのならわざわざ自分から仕掛ける必要もない。
野生の場合は、それこそ相手から攻撃してくることも少なくないし。
だからまずは逃げるんだろうな。逃げることで必要のないリスクは回避する方を選ぶ。
なお、晴の実の兄である鋭は、そもそもロボットを敵とは見做してない。マンティアンとしての生き方もかなり放棄しているとも言えるわけで。
なにしろ、地球人そのままの姿をした玲と番い、メイを迎えたりもしたくらいだから、もう普通のマンティアンではなくなってしまっているとさえ考えられるかもしれない。
それに比べれば、鋭や晴にとっては<叔父>にあたる丈は、晴と同じく真っ当なマンティアンとして生きているしその子供達である淕と游煉もしっかりとマンティアンらしいと言えるだろうか。
こうやってそれぞれ違う生き方をしていても、誰が立派で誰が立派じゃないという捉え方は、俺はしない。したいとは思わない。
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