2,067 / 2,588
第四世代
丈編 ますます守りが固く
しおりを挟む
新暦〇〇三八年六月七日
游煉は、丈にも游にも確かに似てるんだが、 それと同時に、どことなく刃の面影も感じさせるんだよな。
はっきり『どこが似てる』というわけでもないにせよ、見ていると時折ハッとさせられる瞬間があったりもする。
その辺はまさしく 遺伝子のなせる業ということだろうか。
刃の命もこうやって繋がっているんだと感じさせられて、何とも言えない気分にもなる。
だから余計に、万が一のことがあってほしくはないと思ってしまう。
ゆえに、できる限りのことをしようと考えるんだ。
そんなわけで、ホビットMk-Ⅱについても、新たに配備すると決めた。
アップデートを重ねたことで性能が向上したのもあってな。
使われている材料の違いがもたらす強度や耐久性の差については比べるべくもないにせよ、それ以外の性能については、作られたばかりの頃のドーベルマンDK-aにかなり迫るものが実現されている。
それでも、マンティアンやヒト蜘蛛が相手だと心許ないが。なに、応援が駆けつけるまでの間の時間稼ぎができればそれでいいさ。
そのためのロボットだ。
淕と若いマンティアンとの一件で、ドローンによる時間稼ぎには課題が多いことも改めて感じたしな。
で、思い切って二十機を手配した。それが、河岸に造られた仮設のヘリポートに、オートジャイロに搭乗して次々と到着する。
もちろん、オートジャイロについてはそんなにたくさんあっても持て余すので、ホビットMk-Ⅱを降ろしたらそのままお帰りいただく。
オートジャイロ自体がロボットだからできることだな。
そして到着したホビットMk-Ⅱも、ロボットであるがゆえに休息をとる必要もなく、そのまま配置に着く。
俺達の集落を取り囲むように、さらに二十機のホビットMk-Ⅱが配されるわけだ。
で、俺達の集落を守ると同時に、丈や游や游煉や淕や晴達も守るわけだ。
それは当然、他の子供達を守ることにも繋がる。さらには、駿達を守ることでもある。
ますます守りが固くなるな。
しかしこれでもなお地球人社会じゃぜんぜん不十分だろうけどな。
『市民の安全を疎かにしてる!』
と抗議の声が上がるほどだろう。
数はともかく、警備用のレイバーギアにも遠く及ばない性能のロボットじゃ、不安に思うのも当然だな。
それだけ地球人は非力だということだ。
とはいえ,俺の子供達はそこまで非力じゃない。
これまでだってしっかりと生き延びてきたんだから、地球人ほどは手厚く守らなくても大丈夫だろうさ。
あくまで俺自身が安心したいからというのが一番ではある。
游煉は、丈にも游にも確かに似てるんだが、 それと同時に、どことなく刃の面影も感じさせるんだよな。
はっきり『どこが似てる』というわけでもないにせよ、見ていると時折ハッとさせられる瞬間があったりもする。
その辺はまさしく 遺伝子のなせる業ということだろうか。
刃の命もこうやって繋がっているんだと感じさせられて、何とも言えない気分にもなる。
だから余計に、万が一のことがあってほしくはないと思ってしまう。
ゆえに、できる限りのことをしようと考えるんだ。
そんなわけで、ホビットMk-Ⅱについても、新たに配備すると決めた。
アップデートを重ねたことで性能が向上したのもあってな。
使われている材料の違いがもたらす強度や耐久性の差については比べるべくもないにせよ、それ以外の性能については、作られたばかりの頃のドーベルマンDK-aにかなり迫るものが実現されている。
それでも、マンティアンやヒト蜘蛛が相手だと心許ないが。なに、応援が駆けつけるまでの間の時間稼ぎができればそれでいいさ。
そのためのロボットだ。
淕と若いマンティアンとの一件で、ドローンによる時間稼ぎには課題が多いことも改めて感じたしな。
で、思い切って二十機を手配した。それが、河岸に造られた仮設のヘリポートに、オートジャイロに搭乗して次々と到着する。
もちろん、オートジャイロについてはそんなにたくさんあっても持て余すので、ホビットMk-Ⅱを降ろしたらそのままお帰りいただく。
オートジャイロ自体がロボットだからできることだな。
そして到着したホビットMk-Ⅱも、ロボットであるがゆえに休息をとる必要もなく、そのまま配置に着く。
俺達の集落を取り囲むように、さらに二十機のホビットMk-Ⅱが配されるわけだ。
で、俺達の集落を守ると同時に、丈や游や游煉や淕や晴達も守るわけだ。
それは当然、他の子供達を守ることにも繋がる。さらには、駿達を守ることでもある。
ますます守りが固くなるな。
しかしこれでもなお地球人社会じゃぜんぜん不十分だろうけどな。
『市民の安全を疎かにしてる!』
と抗議の声が上がるほどだろう。
数はともかく、警備用のレイバーギアにも遠く及ばない性能のロボットじゃ、不安に思うのも当然だな。
それだけ地球人は非力だということだ。
とはいえ,俺の子供達はそこまで非力じゃない。
これまでだってしっかりと生き延びてきたんだから、地球人ほどは手厚く守らなくても大丈夫だろうさ。
あくまで俺自身が安心したいからというのが一番ではある。
0
お気に入りに追加
178
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!
電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。
しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。
「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」
朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。
そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる!
――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。
そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。
やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。
義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。
二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる