未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

彗編 救急搬送

こうしてホビットMk-Ⅱ一機と引き換えにして、

＜先祖返りを起こしたパパニアンの赤ん坊＞

を救ったが、これ自体は本来の使い方だから問題ない。このために痛みを感じないし感情も持たないように作ったんだしな。

残った四機のホビットMk-Ⅱは、赤ん坊を保護してホビットサンク村へと急ぐ。と同時に、ホビットサンクに派遣してあったオートジャイロを使っての救急搬送の準備も行う。壊れた一機については、別の部隊を編成して回収に向かわせる。

同時に、H-1（ホビット生産工場）で待機状態にあったホビットMk-Ⅱをオートジャイロに乗せてホビットサンク村に向けて飛び立たせた。壊れた機体をH-1に輸送するためのオートジャイロも随伴させて。

こうやって入れ替わっても問題ないように、敢えて＜個性＞も与えてないんだ。

ちなみにホビットサンク村以外で稼働してる機体はすべて、光莉ひかり号かコーネリアス号のAIが制御してるんだが、ホビットサンク村に配備されれば当然、＜朋群ほうむ製AI＞で制御されることになる。

この点では、現状、＜朋群ほうむ製AI＞が地球人社会基準の設定で稼働していることで逆に手間が省けているというのはあるな。なにしろ、完全に朋群ほうむ人社会基準の設定で稼働させるようになれば、そのままじゃ切り替えはできないし。

一度、ホビットMk-Ⅱ本体側のAIを完全に初期化してその上で朋群ほうむ人社会基準のセットアップを行う必要が出てくるんだ。

面倒ではあるものの、AIとそれによって制御されるロボットが確実に＜人間の道具＞として機能するためには必要な手間でもある。その辺りを曖昧にしなかったからこそ、

＜AIの反逆＞

みたいなことを予防できてたわけだし。

というのは余談だが、ホビットサンク村に戻った四機のうちの一機がそのまま赤ん坊を抱いてオートジャイロに乗り込み、＜ジャンプ・テイクオフ＞を用いて離陸、こちらに急ぐ。

で、こちらでも、受け入れ態勢を整えて待った。

搬送中もバイタルはモニターしているが、

「心停止。バイタル取れません」

エレクシアが声を上げた。

「くそっ！　やっぱりダメージがあったか！」

パニックを起こした母親からひどく叩かれたことが影響したのかもしれない。なので、赤ん坊を搬送していたホビットMk-Ⅱがその場で蘇生を試みる。オートジャイロ自体がロボットなので操縦する必要がないからな。まあ、操縦する必要があったとしても、ホビットMk-Ⅱ自体がロボットだし、リンクして制御すればいいだけだから、蘇生を行いつつ操縦もできるんだが。