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第四世代

光編 エアポケット

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そうやっていろいろと考慮はしているが、しかし不思議なもので、いくつもの目があるはずにも拘らず、それらすべてが一瞬、目を離してしまう、<エアポケット>のような瞬間というものは存在する。

この時、イレーネはセシリアと共にコーネリアス号にメンテナンスのために集落を離れてて、俺は錬慈れんじを寝かしつけようとしてつい自分も眠ってしまってて、しかも、夢の中で錬慈れんじがアクシーズに攫われてしまって焦って追いかけようと体が勝手に動いてしまってた。んで、手を着いたところに錬慈れんじの腹があって、かなり体重を掛けてしまって……

その感触に、

「!?」

俺は一気に覚醒した。

錬慈れんじっ!?」

自分が錬慈れんじを潰してしまったかもしれないという状況に焦って声を上げると、エレクシアがすぐに駆け付けてくれて、

「バイタルサインは問題ありません。ですが、念のため、治療カプセルで詳細に確認しましょう」

突然の衝撃に火が点いたように泣いている錬慈れんじを抱き上げて、光莉ひかり号に向かってくれた。

「どうしたの!?」

データの整理を行っていたシモーヌも異様な気配に青い顔でついてくる。

「ごめん! 夢を見て寝ぼけて飛び起きたら錬慈れんじを潰しそうになった」

俺も正直、半ばパニック状態で応える。そうして三人で光莉ひかり号のメディカルルームへ。これにはさすがにひかりも心配げにメディカルルームを覗き込んできた。

「大丈夫……?」

と、誰もが錬慈れんじを案じたからこそ、そちらに意識が集中してしまっていた。そこに加えて、イレーネもセシリアもいない。いつもなら皆が休んでいて最も手が空く夜のうちに行ってくるはずが、前日にコーネリアス号の工作室でちょっとしたトラブルがあってその復旧に半日かかり、メンテナンスのスケジュールがずれ込んでいたんだ。さらには、セシリアの機体にも、深刻なそれではないもののエラーが生じててなるべく早くメンテナンスを行いたかったというのもある。ドーベルマンDK-a達も、哨戒に出ていた。

そう。そんなことが同時に起こるなんてのは確率的には限りなくゼロに近いはずだった。なのに起こってしまって、誰も萌花ほのかのことを見ていない状況が生まれてしまったんだ。その上、寝ていたはずの萌花ほのかも起きてしまったらしくて。

この間、わずか三十秒ほど。たったそれだけの時間でも、子供が姿を消すには十分すぎるんだろう。

萌花ほのかとしても、どうやらこの時、密林の中に何か気になるものを見付けてしまったらしい。だからつい、そっちに意識が集中してしまった。追いかけてしまった。一人で勝手に密林に入っていってしまったんだ。

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