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第四世代

光編 移送

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そうして遂にヒト蛇ラミアは、意識を失った。バイタルサインは、さすがに正常とは言い難いものの、少なくとも<みずち>や<ばんのところに現れたヒト蛇ラミア>から得られたデータを参考にするなら生命維持に支障のあるレベルではないだろう。

となれば後は移送に向けて淡々と対処するだけだ。

その準備をしている間に、今回の<損害>を確認する。

桜華おうか:大破(機能停止)。

高仁こうじん:大破(機能停止)。

鈴夏すずか:健在。

アンデルセン:小破(精密作業用マニピュレータ破損)。

ドーベルマンMPM:小破、三。中破、二。

ホビットMk-Ⅱ:小破、七。中破、十。大破、二十四。

数字だけを見れば、投入した戦力の約半数が損耗という大変な状態ではあったものの、その一方で人的被害はなかったわけで、ヒト蛇ラミアも無事に鎮圧できた。実質的には大勝利と言っていいだろう。

これで、<例の不定形生物が基になった怪物>への対応についてもある程度の目途が立ったな。鈴夏すずかのおかげでドーベルマンMPMやホビットMk-Ⅱの性能も十全に活かされた。その上で、いつの時代も物量作戦は有効だと確認できた。牙斬がざんが相手だとこれでもまだ不安はあるが、夷嶽いがくくらいまでなら何とかなりそうだと感じる。

桜華おうか高仁こうじんの機体は、他の小破状態でまだ動けるドーベルマンMPMと共にヘリでコーネリアス号へと移送。直ちに修理に入る。やはりまだ動けるホビットMk-Ⅱについては別のヘリでH-1(ホビット製造工場)へと移送。こちらも修理に入る。

完全に機能停止したホビットMk-Ⅱについては後ほど回収して再資源化するとして、まずはヒト蛇ラミアの移送だ。

しかしそれについても滞りなくバケットに乗せることができ、アリアンで吊り上げ、移送を開始する。万が一、途中で麻酔が切れそうになった時に追加投与するための弱い麻酔薬とドーベルマンMPMもバケットに乗せて、台地の麓に向けて飛び立った。

移送中も当然、容体が急変しないように注意深く見守る。

幸い、そちらについては目立った異変もなく、無事に麓へと到着。夷嶽いがくの時と同じように地面に下ろして、麻酔が覚めるまでアリアンが待機、鵺竜こうりゅうらにヒト蛇ラミアが襲われないように警戒しながら経過観察。一時間ほどして麻酔から覚め始めたのを確認すると離脱し、ヒト蛇ラミアからはどうすることもできない高度まで距離を取ってさらに監視。

「……」

完全に麻酔から覚めて上空のアリアンを睨み付けるヒト蛇ラミアの姿を確認し、後はドローンに任せてアリアンも帰還の途に就く。

作戦終了ミッションコンプリート。お疲れさまでした」

ひかりがそう告げて、俺達はようやくホッと一息吐けたのだった。

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