未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

光編 人間にはできない戦い方

ロボットらを制御しているAIには、光莉ひかり号、エレクシア、コーネリアス号、メイフェア、イレーネらのAIから抽出したもの及び、これまでドーベルマンDK-a、ドーベルマンMPM、アリス、ドライツェンらが蓄積してきた経験を基に構築した＜戦術＞を組み込んである。だから現場でいちいち指示を出さなくても、大まかな指示さえ出しておけば随時対処してくれる。

それに、エレクシアやメイフェアやイレーネやアリアンや鈴夏すずかともリンクして、適宜、さらに高度な分析と対処を指示してくれるしな。

もちろん、通信を介してだから若干のタイムラグはあるものの、それとて、

『人間が判断して指示を出す』

ことで生じるタイムラグに比べれば微々たるものだ。なんてことはない。

なにより、ヒト蛇ラミアが相手なら、蛟みずちと対峙したイレーネや、蛮ばんが遭遇したヒト蛇ラミアに対処したドーベルマンMPMらのデータがある。今回のチームだけで対処するのは厳しいが、重武装した＜機動部隊＞が到着するまでの時間稼ぎくらいならできる可能性はある。

高仁こうじんと鈴夏すずかとアンデルセンを乗せたアリアンも急行する。ただし、到着まで七百二十秒。新造したヘリも含めて構成された機動部隊の方が近かったから、そちらは二百秒で到着予定だ。

で、ボートで接近したドーベルマンMPMとホビットMk-Ⅱの部隊は、ヒト蛇ラミアの気を引きつつ攻撃を躱し、＜要救助者＞から引き離すことを試みる。

＜不定形生物由来の怪物＞である牙斬がざんは、ビアンカやルコアのことは眼中になかったようだが、久利生くりうのことは狙っていた可能性があるので、念のためだ。

しかも幸い、ヒト蛇ラミアを警戒してか、クロコディアやアーマード・ピラルクといった捕食者プレデターも近寄ってきていない。なら、精々注意を引きつけつつ逃げ回ってもらうさ。

同時に、一応、ショットガンなどで武装もしているから、攻撃も加えてみる。みるものの、やはりあの＜タングステン並の強度を持つ鱗＞は備えているらしく、まったく通用しない。挑発して気を引く程度の役にしかたたない。

「ガアアッ！！」

完全に人間としての理性も知性も備えていないのが分かる＜猛獣の貌かお＞で吠えながら飛び掛かってくるヒト蛇ラミアの動きを予測して躱す。

さらには、水中から胴や尻尾を使って攻撃を加えようとするのも、水中に配したプローブを自身の目や耳のように使って察知しやはり躱してみせる。この辺りも人間じゃなかなかできないことだ。

ホビットMk-Ⅱは、単体の性能なら『生身の人間よりは少し強い』程度ではあるものの、やはりロボットだから人間にはできない戦い方ができるんだ。