未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

光編 防御反応

で、ホビットMk-Ⅱによる＜超本格的なおままごと＞を行いつつも、＜育児担当＞のホビットMk-Ⅱは、エレクシアが俺を見て解析したデータを基に実際の育児を再現し、そこに必要なサポートを割り出していく。

ダミアンのパートナーであるシーナは、赤ん坊のダミー人形への授乳を再現したのち、ゲップをさせるために背中をとんとんしていた。その際、一緒に飲んだ乳を吐き戻すなどのトラブルがあった状況を再現。

＜赤ん坊の口の周りについた乳＞や、自身の肩口に吐いた乳がついたことにより服を着替えたりすることに要したタイムロスとそれに伴うストレスを推測する。これは、実際に俺が錬慈れんじの授乳後に彼が俺の肩口に乳を吐き戻した際の俺の対応とその時のバイタルサインを基に算出したものだ。

俺自身は気にしていないつもりだったんだが、それでもストレス値は跳ね上がっていたらしい。錬慈れんじが乳を吐いたことでそれが喉に詰まったりしていないかという不安と、＜吐瀉物で服が汚れたことに対する嫌悪感＞は無意識のレベルではやっぱりあって、こういう時に、

『ついカッとなってしまう』

ことが起こりえるのが分かる。それは反射的なもののため、単なる自制心や心掛けだけじゃ対応しきれない可能性が高いようだ。

また、

『オムツを替えた途端にまた汚される』

というのもストレス値が跳ね上がった。『せっかく替えたのに』『オムツが無駄になった』といった思考がトリガーとなりうる感じだな。

さらには、＜夜泣き＞。これも、

『寝入りばなに夜泣きで起こされる』

のは厳しいようだ。

もちろんロボットであるホビットMk-Ⅱは眠らないからストレスにはなりえないものの、俺自身のデータでは顕著にそれが出ているとのこと。

その心理状態を再現したシーナは、赤ん坊のダミー相手に『手を振り上げる』仕草をしてみせた。寝入りばなで理性が下がったところに大きなストレスが掛かったことにより、＜防御反応＞が発生したらしい。つまり、

『身の危険から自分を守ろうとした』

ということだ。＜睡眠＞という、生命の維持には必須の生理現象を妨害されたために生命の危機さえ感じてしまったとも言えるのか。こうなるともう、相手が自分の子供だろうと赤ん坊だろうと、

＜自分を害しようとする敵＞

だと無意識の領域で見做されてしまうわけだな。実におっかない。

それをただ＜親の愛情＞任せで対処していてはまったく頼りにならないということだ。

だからこそ、その辺りに適切なサポートが必要になるのが分かる。