未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

光編 人形遊び

新暦〇〇三六年十一月二十六日



とまあ、そんな調子で、危なっかしいながら俺は錬慈れんじの世話を続けてた。これまで光ひかりをはじめとして散々子供達を見てきたつもりだったが、『成長が早い』ということに助けられてきたんだってのをつくづく思い知らされる。みるみる成長していくから変化も感じやすかったし、気遣わなきゃいけないこともものすごい勢いで減っていったが、地球人とほぼ同じ成長速度の錬慈れんじを前にしてると、

『これ、いつまで続けなきゃいけないんだ……？』

なんてことが頭をよぎってしまう。そうなると覿面に精神にクるな。

『この子さえいなければ……』

って考えが頭をもたげてこようとするんだ。で、地球人社会ではそれで取り返しのつかないことをしでかす親がこれまでにも何人もいた。犠牲になる子供も何人もいた。人口爆縮の頃にはそれこそそんな形でせっかく生まれてきた命を失うわけにはいかないってんで、ロボットが急速に発展。育児のサポートを行うようになった。

基本的には高齢者の介護が先だったらしいが、そのためのノウハウが、乳幼児の世話にも活かされる形で進歩したようだ。

そして六十世紀ともなれば、育児のノウハウも数千年分蓄積され、メイトギアのサポートなしには人間の子育ては成り立たないくらいにまで至った。

しかしここでは残念ながらメイトギアを再現することは現時点では技術的に不可能だ。見た目だけそれっぽいロボットを作ることはできたとしても、不安定な二足歩行の姿勢を維持するだけで手一杯というロボットを作ったところで玩具おもちゃにもならない。だから、ドーベルマンDK-a、ドーベルマンMPM、アリスとドライツェンという道を経て、ホビットMk-Ⅱという結論に至った。

性能も見た目も耐久性も割り切って＜機能＞と＜生産性＞を重視。確実に一家庭に一台を導入できるようにする。壊れたらすぐに新しいのと交換できるようにする。これにより、育児の負担を軽減することを目指しているものの、いかんせんシステム的にメイトギアと互換性がまったくないから、メイトギアが蓄積してきたノウハウはデータのままで活かすことができず、実地での検証を経てノウハウを再度蓄えていく。

エレクシアが俺達を見守っているのは、そのためのデータをコーネリアス号に送るのが目的でもある。そしてコーネリアス号からH-1（ホビット製造工場）に送信。赤ん坊のダミー人形を用いて状況を再現。シミュレーションを行っている状態だ。

だから、事情を知らない人間が見ると、

『ロボットが真剣に人形遊びをしている』

ようにも感じられるだろうな。