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第四世代

シモーヌ編 ロボットに支配されそうな雰囲気

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「……仕事に戻ろうか……」

傍に付き従ってたホビットMk-Ⅰに対してシオが声を掛けると、

「ヴァッ!」

ホビットMk-Ⅰも応えてプラントでの収穫作業に戻った。でも、その様子が少し寂しそうにも見えたそうだ。

これからも当面、それを繰り返すことになるだろうが、これは現実を受け止められるようになるまでのいわば<通り道>だからな。むしろ必要なことだと思う。

こうして毎日を淡々と過ごすことで、現状を自分の中に落とし込んでいくんだ。



そんなシオを見守る一方で、俺達は、炭鉱脇に新たな汎用工場を稼働させる準備を進める。と言っても、実際に作業をしてるのはすべてロボットだが。

今ある汎用工場で必要な設備を作り、工場で稼働するロボットについてはホビット製造工場の方で作る。ホビットMk-Ⅱの生産は一時中断して、二十四時間フル稼働だ。ここの一日は約二十五時間だから正しくは<二十五時間稼働>だが、まあ言葉の綾ってことで。

予定通りに運べば二週間ほどで用意できるだろう。そして、ある程度まで資材や機器がまとまるとアリアンに積み込んで輸送する。まずは工場の建物を建設するが、こちらはもうすでに外側については大まかな形が出来上がってる。

最初から工場そのものを<一体のロボット>として全体を設計するから無駄もない。しかも、一部のロボットの据え付けが終わるとそのロボットも現地で必要な機器の製造を始めることでさらに効率が上がっていく。

人間の手と重機だけで工場を建設していた頃からは想像もできないような速度で工場が出来上がっていくんだ。この程度の規模の工場なら、地球人社会だと早ければ一週間程度で稼働にまでこぎつけるぞ。

現状じゃそこまでの作業効率を出せないから二週間を目途にしてるものの、<ホビット製造工場>と<汎用工場>を作った際のノウハウも活かされてるからそれが実現できる。

先に小型火力発電所を作ったから電力にも余裕があるしな。さらにその小型火力発電所の稼働状況のデータも蓄積してる。正直、発電能力も排出ガスの処理についても、最初の理論値には達していなかったものの、まあ、おおむね合格と言っていいだろう。このデータを基に改良を加えていけばいい。

なんだかこのままじゃ惑星朋群ほうむそのものがロボットに支配されそうな雰囲気を醸し出してるかもしれないが、少なくとも今の時点ではそれは無理だ。地球製のAIが作るAIには、そんな発想がそもそもないんだよ。

まあ、朋群ほうむ人が一から作る場合には、その限りじゃないけどな。

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