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第四世代
シモーヌ編 説明
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『メイフェア!? セシリア!?』
メイフェアとセシリアの顔を見た瞬間、シモーヌがそう声を上げた。どうやら、彼女らの顔を見たことで、おぼろげながら蘇りつつあった記憶が繋がったみたいだな。
「これは一体、どういうこと? ここはコーネリアス号のメディカルルームだよね? 私、どうなったの……!?」
問い掛ける彼女に、セシリアが、
「それについては、錬是様がご説明してくださいます」
と告げる。
「錬是様……?」
さすがに本来は同一人物。俺のパートナーのシモーヌと同じ反応をする。そんな彼女に、俺は、
「改めて初めまして。秋嶋シモーヌ。俺は神河内・フィッツジェラルド・錬是。詳細を話す前に確認しておきたい。あなたは今、どこまで覚えてますか?」
桜華が掲げたタブレット越しに語り掛けた。
「どこまで……?」
少し訝しげな表情で戸惑った彼女だったものの、すぐにハッとなって、
「! そうか…! 私達、不時着して、それであの不可解な何かに襲われて……って、え? 私、生きてる……!?」
少し混乱した様子でそう口にした。やはりまだ、あの不定形生物の中でのことについては思い出せていないようだな。加えて、救助された時の記憶についてはどうやら脇に置かれてる感じか。記憶の整合性が取れなくて上手く整理できていないんだろう。
だから、
「順を追って話しましょう」
改めて声を掛けた。
「あ、ああ、そうね……」
さすがに彼女もすぐに冷静さを取り戻す。そして俺は、
「まず最初にお断りしておかなくてはいけない。俺は、あなたと同じくこの惑星に不時着した遭難者で、救助隊とかじゃないんだ。申し訳ない」
改めて告げる。
「ああ……そうなんですね……」
シモーヌは残念そうな表情をしつつも、
「この度は助けていただいてありがとうございます」
と、やはり俺のパートナーのシモーヌと同じように丁寧に頭を下げてくれた。一応、『危機的状況から救い出された』という認識はあるようだ。今回は、タブレット越しだったからか、ハープティーのカップを手に座ったままだったが。
そんな彼女に俺も、
「いえ。俺達は当然のことをしたまでです」
応えて頭を下げる。その上で改めて、
「お聴きしたいことはたくさんあるでしょう。俺に分かる範囲については応えます。どうぞ何なりと」
告げると、
「じゃあまず、私はどうなってしまったんですか? この体はいったい……?」
やはりほとんど同じことを訊いてくる。だから、
「非常に申し上げにくいのですが……まず、今は星歴二一一六年。銀河歴で言うとおそらく三二七六年。細かい誤差は計算してないですがおおよそそのくらいであり、コーネリアス号の進宙からは二千二百年以上経ってる。そしてあなたは、秋嶋シモーヌのコピーです……」
「!?」
この時の反応も、俺のパートナーのシモーヌと同じで、椅子から飛び上がりそうに反応したのだった。
メイフェアとセシリアの顔を見た瞬間、シモーヌがそう声を上げた。どうやら、彼女らの顔を見たことで、おぼろげながら蘇りつつあった記憶が繋がったみたいだな。
「これは一体、どういうこと? ここはコーネリアス号のメディカルルームだよね? 私、どうなったの……!?」
問い掛ける彼女に、セシリアが、
「それについては、錬是様がご説明してくださいます」
と告げる。
「錬是様……?」
さすがに本来は同一人物。俺のパートナーのシモーヌと同じ反応をする。そんな彼女に、俺は、
「改めて初めまして。秋嶋シモーヌ。俺は神河内・フィッツジェラルド・錬是。詳細を話す前に確認しておきたい。あなたは今、どこまで覚えてますか?」
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「どこまで……?」
少し訝しげな表情で戸惑った彼女だったものの、すぐにハッとなって、
「! そうか…! 私達、不時着して、それであの不可解な何かに襲われて……って、え? 私、生きてる……!?」
少し混乱した様子でそう口にした。やはりまだ、あの不定形生物の中でのことについては思い出せていないようだな。加えて、救助された時の記憶についてはどうやら脇に置かれてる感じか。記憶の整合性が取れなくて上手く整理できていないんだろう。
だから、
「順を追って話しましょう」
改めて声を掛けた。
「あ、ああ、そうね……」
さすがに彼女もすぐに冷静さを取り戻す。そして俺は、
「まず最初にお断りしておかなくてはいけない。俺は、あなたと同じくこの惑星に不時着した遭難者で、救助隊とかじゃないんだ。申し訳ない」
改めて告げる。
「ああ……そうなんですね……」
シモーヌは残念そうな表情をしつつも、
「この度は助けていただいてありがとうございます」
と、やはり俺のパートナーのシモーヌと同じように丁寧に頭を下げてくれた。一応、『危機的状況から救い出された』という認識はあるようだ。今回は、タブレット越しだったからか、ハープティーのカップを手に座ったままだったが。
そんな彼女に俺も、
「いえ。俺達は当然のことをしたまでです」
応えて頭を下げる。その上で改めて、
「お聴きしたいことはたくさんあるでしょう。俺に分かる範囲については応えます。どうぞ何なりと」
告げると、
「じゃあまず、私はどうなってしまったんですか? この体はいったい……?」
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「非常に申し上げにくいのですが……まず、今は星歴二一一六年。銀河歴で言うとおそらく三二七六年。細かい誤差は計算してないですがおおよそそのくらいであり、コーネリアス号の進宙からは二千二百年以上経ってる。そしてあなたは、秋嶋シモーヌのコピーです……」
「!?」
この時の反応も、俺のパートナーのシモーヌと同じで、椅子から飛び上がりそうに反応したのだった。
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