未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

玲編 すくすく育って

新暦〇〇三五年十月十二日



そうして明めいが弱っていくのを見ていると当然のこととして気になるのがアクシーズである鷹ようの娘の翔しょうのことだ。数ヶ月とはいえ翔しょうの方が年上だしな。

ただ、こちらはまだ、年齢を重ねた印象は確かにあるものの壮健で、明めいほどは衰えた感じはしない。とは言え、その辺は個体差の問題だろうから、遠からず明めいと同じようにはなっていくだろう。

それで言うと、明めいはやや早いくらいなのかもしれない。丈じょうを見ていても思うが、本当はもう少し先だったのかもしれない。本格的に衰えてくるのは。

さりとて、これもまたそれぞれで違うんだろう。加えて明めいの場合は、長年連れ添った角かくを喪った。そのことが影響している可能性だって否定はできない。

地球人の場合だと、パートナーに先立たれた女性が逆に生き生きとし始めるなんてこともあるらしいが、それだって単に、

『そういう人もいる』

というだけの話でしかないわけで。

で、翔しょうの方も、さらに彗すいの方も、特に目立った変化はない。

翔しょうについては、楼羅ろうらを亡くした後に生まれたスフィアの育児に精を出してる状態だ。その一方で翔しょうのパートナーである泰たいは、巣には戻れないもののおとなしく少し離れたところに新たに巣を作ってそこを根城に普通に暮らしている。だからきっと、スフィアが巣立てばまたイチャイチャするんだろう。凌りょうが巣立った後もそうだった。

それを思うと、明めいも、翔しょうと泰たいほどではないとしても角かくと仲が良かったな。だからこそ、パートナーを喪うとダメージが大きいのかもしれない。

翔しょうと泰たいの息子である凌りょうについては、パートナーの鈴良れいらとの仲は良好でありつつ、こちらは鈴良れいらが現在、マッハを育てている真っ最中なので、アリゼドラゼ村にある巣には帰れず、他の雌のところに入り浸ってるようだ。その辺は父親である泰たいとはまったく違うものの、アクシーズの習性としてはこちらが本来なんだよな。泰たいがむしろ変わってるんだ。

この点では、翔しょうの弟である彗すいも、泰たいとよく似てるか。パートナーである清良せいらとの間にファルケが生まれ、清良せいらがファルケの育児に集中している今は巣に戻れないにも拘わらず、泰たいと同じく他の雌のところには行こうとしない。離れたところで清良せいらとファルケの様子を窺っているだけだ。

まあ、彗すいは元々、そっち方面には疎い感じだったしな。清良せいらと出逢ったから番つがっただけで、清良せいら以外の雌には興味もなさそうなんだ。そういう個体もいるということか。

そんな、翔しょうや彗すいも今は、あくまでアクシーズとしてはすごく平穏な毎日を過ごしている。

特に翔しょうは、楼羅ろうらのことがあったから、このまま平穏でいてほしいと思うよ。

スフィアも、姉であった楼羅ろうらの分もすくすく育ってくれている。