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第三世代

灯編 姉妹

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あかりひかりは、一見するとまったく性格が異なるようにも見えるものの、父親としてずっと二人を見てきて、本質はそう違わないのを感じてる。

二人とも根は頑固者で一度『こう』と決めたらテコでも動かない部分を持ちつつ、頭の回転は速くて損得勘定はちゃんとできるタイプなんだよ。だから譲ってもいい部分はスパッと譲ることもあるし、妥協だってする。

そして何より、家族や仲間を攻撃しない。と同時に、家族や仲間を脅かす脅威には容赦はないんだ。

本当に頼りになる娘達だよ。

すると、自分の母親とよく似てることを察したのか、しばらくすると萌花ほのかあかりにおとなしく抱かれていた。そんなあかり萌花ほのかの周りをまどかひなたうららが囲んでる。

「ねえねえ、あかりお姉ちゃん! ケイン達ってどんな子?」

「もうしゃべったりする?」

まどかひなたも、ビアンカが生んたケイン達のことが気になるようだ。一応、タブレット越しに様子を見られたりもするが、だいたいいつも隠れてたからな。絵的には退屈な画面だったと思う。

そんな問い掛けに対しても、あかりは、

「いや~、私も直接はまだ会えてないからよく分かんないんだよね」

変に誤魔化すことなく素直に応える。その上で、

「でも、ビアンカの様子を見る限りじゃ、いい感じみたいだよ。しゃべるのはまだだけど、もう少ししたらしゃべったりするかもしれない。それから<家族>をちゃんと認識できるようになったら外に出ても大丈夫になると思う」

とも答えた。

「おーっ! そっかあ!」

「よかった!」

まどかひなたにしても、ビアンカが生んだ子供達なら、<母親の妹の子供>つまり<従弟妹いとこ>のようなものだ。その無事を喜んでくれる、いい孫達だよ。

そして皆で一緒に昼食にして、日が傾き出した頃、

「お、じゃ、そろそろ帰らなきゃね」

あかりがそう口にした。

「え~…?」

「そっかあ……」

まどかひなたが残念そうに言うと、二人とうららを一緒にそっと抱き締めて、

「大丈夫、またそのうち遊びに来るから」

穏やかに語り掛け、

「うん……」

「そうだね……」

「う~……」

ちゃんと承諾をもらって帰っていった。ミレニアムファルコン号を背負い、わずか数歩で飛び立ち、見事な離陸を決めて。

そんな彼女ももう実年齢じゃ二十七。治療カプセルを使った全身メンテナンスで若々しい体を保ちつつも、正直なところまあまあいろいろ気になる時期には差し掛かってる。

このまま子供を生まないならそれでも別にいいんだが、生むのならそろそろ負担も大きくなってくる可能性もある。

でもまあ、どういう選択をしようとも、その時はその時だ。ロボットも充実してきて、受け入れ態勢は十分に整ってるさ。

ひかりも、

あかりの子供だったら、私が育ててもいいよ」

とも言ってくれてる。

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