1,150 / 2,588
第三世代
モニカとハートマン編 我儘を言わない子供
しおりを挟む
とは言え、今の人間(地球人)の社会では、職場にもほぼメイトギアがいて、人間の上司のように威圧的でもなければ嫌味も言わずに話を聞いてくれるので、言いにくい内容でもメイトギアを通じて報告するということはよく行われてたりする。
俺は、当時もうすでにメイトギアがあまり好きじゃなかったから自分から積極的に関わろうとはしなかったが、同期の連中はミスの報告や仕事の愚痴なんかをよく聞いてもらってたよ。
で、ミスなんかについては、その内容を精査して、具体的な対処法を添えて上司に報告。その後、ミスした当人に上司からの指示を伝えてくれるという。しかも、具体的な分かりやすい指示ができない上司だったりした時には、要点をまとめて伝えてくれるから、ホント、メイトギアがいなかったら仕事がスムーズにいかないだろうなというのは俺も感じてた。だから、好きじゃなかったが露骨に毛嫌いはしてなかったと思う。
あくまで『思う』だが。態度の端々には不信感が滲み出ていた可能性はある。
まあそれはさておき、ルコアにとってはモニカがそういう役目をしてくれてるだろうな。
日常的な細かい要望の類は、ビアンカとモニカが聞いてくれてる。ルコア自身は、あまり<我儘>を言わないタイプではあるものの、
<我儘を言わない子供>
ってのは、実は決して好ましい状態ではないというのも分かってるそうだ。
子供は、我儘を大人にぶつけることで、自分の要望が通る時と通らない時があるということを学ぶという。しかし、『我儘を言わない』というのは、最初から、
『自分の言葉に大人は耳を傾けてくれない』
と考えてしまっていて、それはすなわち、大人への<不信感>そのものとも言えるらしい。
もちろん、我儘ばかりの子供というのも面倒ではあるものの、しかし、
『そうやって自分の要望を口にしてくれるだけ分かりやすい』
とも考えられるだろうな。俺も、どちらかと言えば、
<自分を抑え付けて何も言わない子供>
よりは、
<自分の気持ちを素直に口にする子供>
の方がむしろ扱いやすいと実感してる。
それはまさに、光と灯だ。
光はものすごく<いい子>なんだが、彼女が何を望んでいるかは、その表情や仕草から俺が察する必要があったのも事実。
一方、灯は、自分の気持ちや考えてることをかなりそのまま口にするから、分かりやすかったんだ。
光のそれは、幸い、俺への不信感というよりは単純に彼女の性格からくるものだったらしいけどな。
そういう部分についても、普段から子供と一番身近に接している親が本来は気付くものなんだろう。
『我が子が我儘を言わないのは、言う必要がないからか、そういうのを口にしたがらない性格なのか、それとも、『どうせ言っても無駄』と親に対して不信感を抱いているのか』
っていうのをな。
俺は、当時もうすでにメイトギアがあまり好きじゃなかったから自分から積極的に関わろうとはしなかったが、同期の連中はミスの報告や仕事の愚痴なんかをよく聞いてもらってたよ。
で、ミスなんかについては、その内容を精査して、具体的な対処法を添えて上司に報告。その後、ミスした当人に上司からの指示を伝えてくれるという。しかも、具体的な分かりやすい指示ができない上司だったりした時には、要点をまとめて伝えてくれるから、ホント、メイトギアがいなかったら仕事がスムーズにいかないだろうなというのは俺も感じてた。だから、好きじゃなかったが露骨に毛嫌いはしてなかったと思う。
あくまで『思う』だが。態度の端々には不信感が滲み出ていた可能性はある。
まあそれはさておき、ルコアにとってはモニカがそういう役目をしてくれてるだろうな。
日常的な細かい要望の類は、ビアンカとモニカが聞いてくれてる。ルコア自身は、あまり<我儘>を言わないタイプではあるものの、
<我儘を言わない子供>
ってのは、実は決して好ましい状態ではないというのも分かってるそうだ。
子供は、我儘を大人にぶつけることで、自分の要望が通る時と通らない時があるということを学ぶという。しかし、『我儘を言わない』というのは、最初から、
『自分の言葉に大人は耳を傾けてくれない』
と考えてしまっていて、それはすなわち、大人への<不信感>そのものとも言えるらしい。
もちろん、我儘ばかりの子供というのも面倒ではあるものの、しかし、
『そうやって自分の要望を口にしてくれるだけ分かりやすい』
とも考えられるだろうな。俺も、どちらかと言えば、
<自分を抑え付けて何も言わない子供>
よりは、
<自分の気持ちを素直に口にする子供>
の方がむしろ扱いやすいと実感してる。
それはまさに、光と灯だ。
光はものすごく<いい子>なんだが、彼女が何を望んでいるかは、その表情や仕草から俺が察する必要があったのも事実。
一方、灯は、自分の気持ちや考えてることをかなりそのまま口にするから、分かりやすかったんだ。
光のそれは、幸い、俺への不信感というよりは単純に彼女の性格からくるものだったらしいけどな。
そういう部分についても、普段から子供と一番身近に接している親が本来は気付くものなんだろう。
『我が子が我儘を言わないのは、言う必要がないからか、そういうのを口にしたがらない性格なのか、それとも、『どうせ言っても無駄』と親に対して不信感を抱いているのか』
っていうのをな。
0
お気に入りに追加
178
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる