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第三世代

モニカとハートマン編 伝説のやらかし

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とは言え、基礎的な体力が高ければそれに越したことはないものの、ここに生きる者達の中では決して飛び抜けているわけでもないそれを考えれば、アドバンテージにもならない。そのためにも、ロボットのサポートは欠かせない。

ビアンカでさえ、マンティアンのめいと互角程度だから、龍然りゅうぜんのような<とんでもスペック>の持ち主が相手だと、たぶん、武器を持っていても厳しいだろう。

となれば結局、危険については事前に察知してあらかじめ回避することが何よりだな。

その点でも、AIやロボットの存在は助かる。人間のように予断を抱くこともなく油断することもなく、淡々と対処してくれる。

黎明期のAIやロボットは、与えられた指令やデータが間違っていても自分では判断できず、<正しくない動作>であってもその通りにしかできなかったそうだが、今のAIやロボットは、自身を<客観視>できることで、<正しくない動作>そのものを自分で気付くことができるんだ。そして、人間に確認を求めてくる。

『これで本当に正しいのですか?』

ってな。

なのに、ここで、肝心の人間の方が、自分が与えた指令やデータが間違っていたことを認めたくなくて、

『お前は言われたとおりにやればいいんだ!!』

的にキレ倒すことがある。で、結果として、問題を大きくするんだ。

典型的な<ヒューマンエラー>だよ。しかも単純な<ミス>じゃなく、『ミスを認めない』ことで状況を悪化させる。

なんでも、大昔に、修学旅行のバスの予約を受けたバス会社の担当者がスケジュールの確保を忘れていて、しかもその時点で上司なりなんなりに頭を下げて報告・相談していればただの<ミス>で済んだところが、バスの手配を依頼してきた学校に『修学旅行を中止しろ』と<脅迫>をしたことで、言い訳のしようのない<刑事事件>になったことがあったとか。

四千年近く経っても、企業の新人研修などで、

<社会人として絶対にやってはいけないことの典型例>

の一つとして今なお語り継がれる、<伝説のやらかし>だな。俺も、研修の時に聞かされて、同期の連中ともども乾いた笑いしか浮かばなかったよ。

いやはや、そういう人間ではいたくないな。

同時に、

<本気で困っているのに相談できない相手>

ではいたくないとも思うんだ。

正直、件の<伝説のやらかし>をしでかした奴にも、ちゃんと相談できる相手がいればもしかしたら、と思わなくもない。もっとも、その本人の人間性とかについては詳細な情報はもう伝わってないから、

『相談できる上司とかがいなかった』

のか、

『本人が自分のミスとかをとにかく隠したがるだけ』

だったのかは、分からない。

だから、本人についてはどうこう言うつもりもないんだが、俺自身は、<相談できる上役>でいたいと自分に言い聞かせてるよ。

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