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第三世代

麗編 躾がなってない

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しかし、それで改めて思ったんだが、犬とかでも、キャンキャンワンワンやたらと吠えたり他人に攻撃的だったりするのって、

『躾がなってない』

って言われるよな? それはつまり、人間でも、やたらと他人に攻撃的だったり汚い言葉をぶつけるようなのは、『躾がなってない』ってことじゃないのか?

と、これは以前にも言ったか? まあいいか。とにかく要するにそういうことなんだよ。

やたらと他人に攻撃的に噛み付いたり、ドレスコード等の<サービスを提供するための条件>をあらかじめ提示してる店とかに行って自分がその条件を満たしてないからってしつこくゴネた挙句にネット上にそれを晒したり、他人の善意につけ込んで強引な要求をしたりとか、そういう『躾がなってない』と言われるであろう諸々を、そもそも上の世代がやらないようにして、下の世代がそういうのを学び取ってしまわないようにしなきゃいけないなと思ってる。

<人間>として育ってるひかりあかりまどかひなたも、そしてれいも、そういう<発想>自体を持ってない。地球人よりも遥かに野性が強いから高い攻撃性は持ってるものの、あくまでそれは自分や仲間の身を守るために発揮されるだけで、そうじゃない時には本当に穏やかなんだ。

見た目にはひなたと同じくローティーンくらいに差し掛かってるれいも、いつも鋭い目つきを周囲に向けているものの、さすがに人間(地球人)とほぼ同じ肉体を持っているからか、外見上は完全なマンティアンだっためいじょうが見せていたような、

『動くものに対して咄嗟に手が出る』

的な習性はそれほど発揮されていない。まあ、虫や小鳥が目の前に来るとそれを捕らえてしまったりもするから、『まったくない』わけでもないけどな。あと、まどか達が遊んでて急に飛び出してきたりすると、身構えるというのはある。ただそれはあくまで<防衛反応>だろうから、無理に改めさせるつもりもない。

ちなみにれいは、まだ服は着たくないようだ。まどかひなたは着るようになってくれたんだが、これはもしかすると、非常に活動的でしかも密林の中で激しい動きをするのもあって生傷が絶えなかったことで、

『服を着ていた方が痛い思いをしなくて済む』

ってのを自然と学んだのかもしれない。

それに対してれいは、基本的にあまり激しく動き回ることがなく、服を着る必要性を感じてないからというのもありそうだ。何しろ、一日、母親代わりのイレーネの傍にいるか、気配を消して物陰に潜んでいるか、でなきゃ部屋で休んでるえいのことをずっと見てるか、っていうパターンだし。

イレーネが髪とか整えてくれることもあって、パッと見には<美少女>って言っても差し支えない感じなのに、とにかく影が薄い。

その所為もあってか、まどかひなたも彼女にはあまり関わろうとせず、うららにいたってはそれこそ眼中にない感じなんだ。

でもまあ、別にいがみ合うわけじゃないから、俺も敢えて口出しはしないんだけどな。

こういう時に無理に仲良くさせようとするのは、俺も好きじゃないんだよ。

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