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第三世代

メイガス編 重要な情報

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さすがにメイガスは、大人で、しかも惑星探査チームに選抜されるような理性的な人間だけあって、俺があれこれ言わなくても自分で自分の生き方を決められていた。

だからこそ俺が余計なことを言わない方がいいと思う。

そうだな。本人がすでにしっかりと決めて自分の人生を歩いてるのに、他人が余計な口出しして足を引っ張ったりということが確かにある。せっかく自力で歩いてたのに台無しにすることもある。さらに厄介なことに、口出ししてる方は善意のつもりだから、たとえ口出ししたことがきっかけで上手くいかなくなっても、それは本人の所為にして自分は責任を負おうとしないというのも多い。

典型的な<有難迷惑>だな。

さらにそれだけじゃなくて、

『上手くいったら自分のおかげだから恩を感じろ。失敗したらそれはお前の所為だから恨んだりするな』

だったりするからな。本当に厄介極まりない。

少なくとも俺はそれが分かってる限りは、本人の選択を尊重する。その上で、もし、本人が『力を貸してほしい』と言うのなら力になるさ。

メイガスに対しても同じ。

彼女に対しては、

あたるを蔑ろにした!』

とか、それ以前に、

『夫と子供がいるのにあたるになびいた淫売だ!!』

とか言って攻撃する人間(地球人)もいるだろう。でもまあ幸い、ここにはそういうのはまだいない。いずれ人間が増えてくればもしかしたらとは思うものの、少なくとも今はいないんだからそんなのに悩まされることもない。

『謎の不定形生物に取り込まれて<データヒューマン>になった上にクロコディアとして現実世界に舞い戻る』

みたいな無茶苦茶な経験をしてそれで<普通>でいられるのか、<人間(地球人)の常識>を守っていられるのか、経験もしたことない人間に何が分かる?

俺はそう思うよ。

メイガス自身が記憶を取り戻してから五百日以上、何も葛藤しなかったわけもないだろう。シモーヌやビアンカや久利生くりうのように、話ができる相手がいたわけでもない。

自分一人で考え、悩み、苦しみ、その上で結論を出したんだ。その彼女に俺なんかが何を言えるってんだ。

ただ、敢えてその上で、彼女を苦しめることになるかもしれないことを分かった上で、俺は、彼女が知らない<事実>を告げなきゃならない。シモーヌの説明で、自分が、

<何人もいる、データヒューマンとしてのメイガス・ドルセント>

のうちの一人でしかなかったことを理解した彼女に、<他のメイガス・ドルセントが生んだ娘>が、サーペンティアンとして生きていることを。

彼女にとっては、残酷な現実かもしれないが……

もしかすると<余計なこと>と受け取られるかもしれないものの、だが、<選択>をするためにはすべての情報は開示されていないといけないとも思う。

重要な情報を知らずに行った選択に、本人も責任を持つのは難しいだろうからな。

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