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第三世代

メイガス編 いつもの通り

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<クロコディアとしてのメイガス>と、<サーペンティアンとしてのルコア>が母子としての絆を結べることを願いつつも、それを強要はしない。

これは、メイガスに対してもそうだし、ルコアに対してもそうなんだ。

彼女からしてみれば、今のメイガスは、外見も母親とは似ても似つかず、しかも自分を生んだ記憶もない。そんな相手を<母親>だと思えるだろうか?

『姿形が変わってても、別の世界線に生きてたとしても、母と子の絆は強く結ばれている』

そんな話をつい期待してしまうのも人間(地球人)であることは承知しつつ、この世というのはそんなに都合よくいかないことも事実なんだと自分に言い聞かせる。

そう。いつもの通り。どんな結果になろうとも受け止める。

それが俺のとるべき姿勢だ。

フィクションの中では、

<少しばかり自分の思うように行かないからってキレ倒すキャラクター>

というのが当たり前のように存在するが、俺自身の感覚としては、そういうのにまったく共感できない。両親を亡くし、妹の光莉ひかりが難病を発症してさえ、あそこまで他人に当り散らしたことは、俺自身が覚えている限りでは、ない。

無論、棘のある態度を取ってしまったことは何度もある。自身の苛立ちを隠しきれなかったことも少なくない。

だが、それでも、だ。それでも、フィクションで描かれるような、他人を罵り、時には暴力をふるうまでのことはなかったと思う。

あれは、後の和解や、逆に<自業自得><因果応報>を描くことでカタルシスを得るための<演出>なのだろうが、たまに、現実でも、その感じで他人に当り散らす者はいる。

しかし、現実に存在するその手の人間は、フィクションで描かれるように、都合よく和解したりするだろうか? 大抵は、当り散らされた側に<わだかまり>が残り、後々までずっと引きずったりしないだろうか?

もちろん、状況によっては自分の感情を抑えられないことがあるのも分かる。俺だって、仮にも成人してからだったことで自分を抑えられたというのもある。もし、まだ子供だった頃にそんなことになっていたら、他人に当り散らしていたかもしれない。

が、<少しばかり自分の思うように行かないからってキレ倒すキャラクター>の多くは、そこまでの状況じゃないのに、本当に、

『ライバル視している相手が成果を出したのに自分は出せなかった』

とか、その程度の些細なことで攻撃的になるのもいるよな。

それが分からないんだ。

世の中では、そういうのを、

<ハングリー精神>

と呼んで、競技者なんかには必要なものだと言われることもあるが、正直、それによって周囲が被る<被害>とそれによって得られる<成果>が果たして釣り合うものなのか?という疑問はある。

だってそうだろう? <ハングリー精神>を持つ者全てが、必ずしも良い結果を残せるわけじゃない。むしろそのほとんどが、

『ただ周囲に迷惑を掛けただけでロクな結果も残せず消えていく』

よな? 何しろ、<頂点>に立てるのはほんの数人なんだから。



と、また話が逸れたが、とにかく俺は、自分の思い通りに行かないからといってキレ倒したところで問題が解決するとは思ってないということだ。

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