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第三世代

当編 横取り

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続けてルコアのことに触れるが、ヘビのようにも見える彼女の下半身を構成する生物は、恒温動物であるという点でも、ヘビとは違っているんだ。

加えて、胎盤を持ち胎生によって出産することも分かっている。

が、みずちはそうじゃなかった。本当に爬虫類としてのヘビと極めて近い構成を持った生物だったんだ。

つまり、哺乳類の上半身と爬虫類の下半身が結合しているという。

ただし、この台地の麓に生息している、ヘビに似た巨大生物は、恐竜によく似た鵺竜こうりゅうと同じく恒温動物であることが分かっているから、これもやはり厳密にはヘビとは違う。

外見上はいくら似ていても、やはり全く別の場所で発生した生物だからだろうな。

しかもルコアは、さらに<別の生物>なんだ。

似た生物のそれを参考にしつつも、彼女専用の諸々は必要になってくる。

まあ、これについては、ビアンカという前例があるからそれほど焦る必要もない。

ゆっくりとじっくりと対処していくさ。



その一方で、<あたるの嫁(仮)>は、見た限りでは本当にクロコディアとして暮らしてるとは思う。

思うんだが、その時、あたると一緒に甲羅干しをしていた彼女がふと、河に視線を向けたかと思うと、突然、ものすごいスピードで動いて河に飛び込んだ。そして、十メートルほど先で、巨大な魚が水面から跳び上がる。

ピラルクによく似ていながらも鎧のような鱗を持つ、<アーマードピラルク>だ。と、そのアーマードピラルクと一緒に水中から跳び上がった、いや、たぶん、アーマードピラルクに『跳ね上げられた』んだろう、大きさとしては三分の一もないくらいの、<子供>だった。クロコディアの子供だ。

成体になれば水中ではほぼ無敵に近いクロコディアも、やはり子供のうちは<狩られる側>でもある。クロコディアに匹敵する強さも持つ獰猛な肉食魚であるアーマードピラルクにとっては格好の餌なんだ。

この怪獣のような肉食魚は、猛スピードで突進、鈍器のような頭を獲物に叩きつけて空中へと跳ね上げて意識を失わせ、そうして動かなくなった獲物におもむろに喰らい付くという形の狩りを行うことが多いらしい。

しかもそれは、クロコディアの子供を狙う時に特に。

事実、この時に跳ね上げられたクロコディアの子供は、明らかに意識を失っていた。完全に力なくなすがままに空中を数メートル跳ばされて、そのまま水面に叩きつけられたんだ。

もうこの時点で死んでいても不思議じゃない状態だった。

これ自体はあくまでこの世界での摂理だから、<残酷>だとかなんだとかの話じゃない。ないが、人間である俺としては、辛い光景には違いなかった。

が、クロコディアの子供が水面に落ちた瞬間、何かがその子をかっさらったんだ。まるでアーマードピラルクから獲物を横取りするかのように。

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