未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第三世代

保編 親密

何と言うか、うん、いろいろあったが、まあ落ち着くところに落ち着いたと思う。

人間ほど＜恋愛の駆け引き＞みたいなことをしないから、割とすれ違いも、こう、シンプルなんじゃないかな。

正直、人間の場合だとなんで翠みどりが昴すばるを意識し始めたのか分からんところもありそうなものの、他のパパニアンよりも精神的な成長が遅れてただけで、それがようやく、＜年頃＞のそれになったところに、昴すばるの活躍が目に留まった感じかもしれない。

しかし、あんまり時間が掛かったことで今度は保たもつの方も妹離れできなくなってたんだろう。








新暦〇〇三十一年四月二十日。



その後も、翠みどりは保たもつに会いに行ってたが、さすがにもう、巣立って他の群れに合流した保たもつが構ってやることはなかった。

そして代わりに、昴すばるが、不器用ながらもそんな翠みどりを慰めるように頭を撫でたり毛繕いをしてくれるようになったんだ。

で、やがて翠みどりも保たもつに会いに行かなくなって、昴すばると一緒にいるようになって。

ちなみに、昴すばるがいない時には碧あおに甘えていたな。

碧あおも、そんな翠みどりを邪険にするでもなく、甘えさせてくれていた。

まあ、紅くれないと拓ひらくにしてみると、親子ほど年の離れた姉が母親を独占することがあるのは納得いかなかったらしいものの、それも一時的なことだった。

もう今じゃ、すっかり昴すばると翠みどりはパートナーのように……とまではいってないようだが、それでも随分と親密にはなってるようだ。

それでいいと思う。他とは違ってても、別にいいじゃないか。



そんなこんなで、保たもつは巣立ち、翠みどりは昴すばると親しくなりつつある。

あまり盛り上がるような話じゃなかっただろうが、当面はこの感じで触れていこうと思ってる。

と、その前に、灯あかり達のことにも触れておこうか。

と言っても、向こうは向こうで順調だし平穏だし、俺が口出しするようなことは何もない。久利生くりうもしっかりとボスの役目を果たしてくれてる。

ビアンカも久利生くりうと上手くいっていてすごく幸せそうだ。

來きたるは未来みらいの育児に頑張ってるし。

灯あかりは、そんな家族の様子に満たされてる。久利生くりうとの関係はまだだが、本人は焦ってる気配もない。このまままた、順じゅんの時と同じように進展しないまま終わる可能性もちらつきつつも、まあまだ、始まったばかりだしな。これが何年経ってもそのままなら、その時にまた考えればいいだけか。

で、次は、保たもつの件の陰で起こってた鋭えいの話をすることにしようか。