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新世代

翔編 アリニとドラニ

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アリニとドラニを乗せて、俺とエレクシアは新しい集落候補地、いや、<新しい集落>に向けて出発した。

が、こうなるともう名前なしだといろいろ不便か。

などと考えていた時、俺の視界の隅に捉えられたものがあった。駿しゅんの群れと、ドーベルマンDK-aろく号機だった。

すると、アリニとドラニがローバーの窓越しにろく号機に向けて敬礼をする。

もっとも、ろく号機は単純に光莉ひかり号のAIが制御しているだけで、アリニやドラニのようにそれ用の<仮想AI>までは作っていない。挨拶をする意味は厳密にはないんだが、人間である俺が傍にいるから、ある意味ではそれに対するパフォーマンスの意味もあってそうしてるんだ。

実際、その様子を見た俺はなんとなく微笑ましいものを感じてしまったしな。

なんてこともありつつ、俺は新しい集落に向かう間に、集落の名前を決めようと、タブレットを通じてシモーヌやひかりあかりと話し合った。

「と言うわけで集落の名前を決めようと思うんだが、何がいい?」

しかしそんな俺の問い掛けに、三人は、

連是れんぜの好きなように付けてくれたらいいですよ」

「お父さんに任せる」

「右に同じ~♡」

と、やっぱり丸投げされた。

くそう。

などと不貞腐れても意味がない。仕方ないので、

「じゃあ、アリゼとドラゼの村は<アリゼドラゼ>、アリニとドラニの村は<アリニドラニ>でいいな?」

半ばヤケクソ気味でそう提案した。にも拘らず、

「いいと思います」

「それでいい」

「いいよ~♡」

だと。

ぐぬぬ…でもまあ、ネーミングセンスという点では俺達は似たり寄ったりだ。特にあかりなんて、<アリゼ>に<ドラゼ>に<アリニ>に<ドラニ>だからな。実際に名付けを任せたとしても、俺とどっこいどっこいだろう。

もし、実際に人間が暮らし始めた時、村の名前が気に入らなければ変えてもらったらいい。それまでの間の<仮の名>だ。

そんなこんなでまずは、<アリゼドラゼ村>に寄って現在の状況を確認する。

「というわけで今日からここは<アリゼドラゼ村>だ」

と、出迎えてくれたアリゼとドラゼに向かって伝えた。もっとも、俺達のことを常にモニターしている光莉ひかり号と情報共有してるから、アリゼとドラゼにも俺達の会話は、意図的にオフラインにしない限りは基本的に聞こえてる。離れたところにいても、ある意味ではずっと傍にいるみたいなものだな。

アリニとドラニについても同じだ。

「承知しました。ただいまよりここは<アリゼドラゼ村>です」

アリゼが応じてくれる。

ちなみに、一応はこの村の住人ということにもなるだろうりょう鈴良れいらは、狩りに出ているのか巣にはいなかった。

まあ、村の名前なんてあいつらには何の関係もないだろうけどな。

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