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新世代

走・凱編 戦力

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他のレオンの群れとの衝突で、かいが負傷した。

その知らせを受けて、ビアンカはローバーを加速させる。

幸い、傷はそれほど深くないらしい、治療カプセルを使うほどじゃなかった。傷跡は残るとしても、野生ならその程度の傷は日常茶飯事だしな。

せんほんがそれぞれ、頭の傷と腕の傷を舐めて癒そうとしてくれている。

ちなみに、かい達と衝突したレオンの群れは、かいが負傷したことでブチ切れたほんが大暴れして、その迫力に気圧されたのか、取り敢えずその場は撤退したようだ。

とは言え、向こうも生きなきゃいけないから、それだけで引き下がるわけにもいかないだろう。今後も衝突が繰り返される可能性が高い。

ドライツェンシリーズの試作機で援護しようにも、今はまだ一体しかない。すべてはカバーしきれない。そうかい達を優先すれば今度はりん達の守りが手薄になる。ドーベルマンDK-aの性能だと、たとえ装備を変更しても、多数が相手じゃ威嚇どまりになってしまうし、今の状況だと向こうも威嚇程度じゃ諦められないだろうな。

もちろん、りん達も本来は自力で生き延びられなきゃいけないんだが、親心としてはやっぱりこういう特異な事態についてはと思ってしまう。

そういう意味でも、ビアンカが向かってくれたことは本当に心強い。

「ただいま到着しました。これより警護に当たります」

ビアンカからの通信が届く。

アリスシリーズの試作機に出迎えられ、ビアンカはまずコーネリアス号へと乗り込んだ。すぐにでもそう達の警護に当たりたいだろうが、その辺りはさすがに軍人。しっかりと準備を整えてから事に当たるというのが徹底されている。

本来の<ビアンカ・ラッセ>の装備品に手を加えて今のビアンカでも装備できるようにしたものを手早く身に付けて、そして本体には最初に作った<服>を着て、自動小銃とナイフ及びスタングレネード等を装備。完全武装(フルアームド)ビアンカとなって、改めてローバーに乗り込み、カーゴスペースから出た。そう達にとってはむしろローバーの方が慣れているので、まずはローバーに乗った状態で警護に当たる。

ドライツェンシリーズの試作機には、ドーベルマンDK-a二機と共にりんの警護に当たってもらう。

ビアンカの方もドーベルマンDK-aを従え、そう達のいる場所をぐるりと大きく迂回して<畑>の向こう側へと来た。

正直、ビアンカとドライツェンシリーズの試作機とドーベルマンDK-aだけでは完全にカバーしきることは物理的に無理だ。だから万が一抑え切れなかった分については、そう達、りん達自身で対処してもらうことになる。すべて俺達が守るんじゃなくて、そう達、りん達も<戦力>として計上させてもらう。

あくまで彼我の戦力差を補うのが目的だからな。

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