未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

新世代

誉編 光と順

「ここがお前達の新しい家だ」

光ひかりはまあいちいち説明する必要はないが、順じゅんはまだまだ人間としては幼い子供同然なので、ちゃんと説明してやらないといけない。

「いえ……」

俺の説明に、いまいち分かってるのかどうなのか分からない反応で順じゅんが呟いた。

そんな彼に、光ひかりが、

「あ、あうあ」

と話しかけた。

『私とあなたの新しい＜巣＞だよ』

パパニアンとしての＜言葉＞でそういう意味らしい。

順じゅんも、＜家＞というもの自体は既に認識してるものの、自分が何もしてないのに、突然、大きく立派になったことが理解できないらしい。本来、＜家＞という概念自体がなかったからな。

それでも、

「いえ…！　ひかりとぼくのいえ……！」

光ひかりに説明してもらってようやくピンと来たらしい順じゅんが、少し興奮気味に声を上げた。

まあ、実際には和まどかが遊べるスペースを確保するためというのもあって『二人だけでゆっくり』とはいかないものの、今まで以上にパーソナルスペースが確保されるのは間違いない。前の＜仮設の家＞は灯あかりの個室になった。

パパニアンとして育った順じゅんはともかく、人間として育った光ひかりは、本人は特に気にしていないつもりだったらしいが、それでも他の家族がいることで、どこか遠慮があったようだ。

前の仮設の家ではどうにも声がダダ漏れだったから、睦み合う時には光莉ひかり号の中でってことにしてたとはいえ、な。その点でも、よっぽどの大声でなければ大丈夫だぞ。新しい家は。







新暦〇〇二八年五月十日。



で、まるでそれを証明するかのように、新しい家で暮らし始めて二ヶ月ほどで、

「赤ちゃん、できたみたい……」

だと。

すると灯あかりが、

「お姉ちゃん、現金～♡」

と、少し冷やかすように指で腕をつついていた。

そんな灯あかりに、光ひかりが顔を真っ赤にする。

まあ、今までは光莉ひかり号の中だけでだったのが、新しい家ででもってことだな。正直、ゆっくり落ち着いてできたんだろう。和まどかは灯あかりに任せて。

灯あかりにはさすがに気配が察せられてただろうが、彼女も一応、順じゅんの嫁候補なわけだし、加えて、焔ほむらと彩さい、新あらたと凛りんの件ですっかり慣れてたから、別に気にもならなかったようだ。

でもまあ、とにかく待ち望んでいたことではある。

和まどかもある程度、自分のことは自分でできるようになったし、いい頃合だろう。

俺達の＜群れ＞にも、また新しい家族が増える。

「また忙しくなりますね」

シモーヌもそう言いながら、嬉しそうに目を細めていた。



だが、そうして俺達にとっては待望のニューカマーもありつつ、実はあまり好ましくない新しい命も、この台地で育っていたんだけどな。

まったく。まだまだ退屈はさせてくれないようだ。

正直、嬉しくないアトラクションではあるが。

できることなら勘弁してほしいものだよ。