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新世代

誉編 静 その3

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パパニアンは、人間の特性が比較的色濃く残っているらしく社会性の動物ではあるものの、社会性の動物であるが故に序列に厳しく、下位の者は上位の者に対して反抗的に振る舞うことが許されない。

しかし、序列の上下というのは、力の強い弱い、容姿の美醜が関係しているのは事実であるが、実は大部分があくまで『なんとなく』で決まってしまうらしい。ボスに気に入られるかどうかなんて、まさにそれだろうし。

で、母親のヒエラルキーがそのまま子供にまで反映されるというのが、俺にしてみると悲しくて仕方ない。

とは言え、俺に口出しできることでもなく、ただ見守るしかできないわけで……

しずかも、子供の頃は、おとなしくて見た目にも華奢で、いかにも弱々しい感じだったようだ。だから余計にイジメられたんだろう。

が、彼女はそんな過酷な状況を生き延び、しかもボスが交代した際に新しいボスに気に入られ、立場が大逆転することになった。

すると彼女はそれまでの鬱憤を晴らそうとするかのように、主に、前のボスの妻だった雌達とその子供達を標的に横暴に振る舞うようになり、時には天敵から群れを守る為の<スケープゴート>として供したり、餌を与えないようにしたりと、なかなかに苛烈な<復讐>を行っていた。

これについては、後にほまれがその群れに合流した際にメイフェアも合流。しずかによる圧制の様子を記録するようになっていったんだ。

だが、ほまれのことは群れに加わった時点からしずかは自分の子以上に可愛がってくれて、余所者であるが故のイジメのようなものからは概ね守られることになったのが分かってる。

ほまれが群れの中での地位を上げるようになったのも、しずかがライバルになりそうな若い雄に圧力をかけたからというのも影響しているのは間違いない。

けれど当のほまれは、人間である俺の下で育ったこともあってか、仲間同士でイジメたりイジメられたりということは好まず、まるで母親のように自分を守ってくれているしずかに対しても、彼女が仲間をイジメるような振る舞いをしているとそれを諫めるような様子も見られた。

これがまた仲間の信頼を得る結果となり、後のボス就任を後押しする結果になったのだろう。

その次のボス(つまりほまれから見て二代前)は、俺がらいと名付けた個体だったんだが(実はこの前に、三代目のボスを倒して暫定的にボスの座を得たのがいたものの、それは群れからボスとして認められる前にらいに取って代わられたので、正式には歴代のボスに加えていない)、その彼も僅か一ヶ月ほどでボスの座を追われ、誉の前にボスだった者に取って代わられることになった。

ただし、新しいボスはしずかのことをあまり快く思っていなかったらしく、彼女は再び冷遇される形になったのだが。

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