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ハーレム

一日の始まり(既に日常だな)

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「あぁ~、あぅあ~」

その日、ひそかは朝から落ち着かなかった。しかも何となく不機嫌なのが俺にも分かった。その様子に気付いた俺の頭にピンと閃くものがあった。

「ひょっとして、排卵、か?」

呟いた俺にエレクシアが応える。

「恐らくそうでしょう。微量ですが出血が見られます」

と言われて思わずひそかの股間を見ると、確かに赤くなっていた。それも、鮮血の赤さというよりも、やや黒ずんだ感じの。

俺も女性を知らない訳じゃないから何度も見たことだが、やはりひそかもそうだったのか。すると彼女は、シャワールームのスイッチを押し、勝手にシャワールームに入ってしまった。簡易テントのところに作ったシャワーだけでなく宇宙船の居住スペースのシャワールームも使わせていたのだが、いつの間にか使い方を学習してしまったらしい。

見ると、シャワーで自分の股間を洗っているのが分かった。

「恐らく臭いが気になるのでしょう。血の臭いは肉食獣だけでなく危険な昆虫をおびき寄せたりするでしょうから、それを防ぎたいのだと思われます」

確かにそういうのは野生の動物にとっては命に係わることだからな。しかし、すっかりここでの生活にも慣れてしまったなあ。

一方、じんはと見ると、いつもの位置に座ったままこちらに視線を向けてはいるが、特に何かしようとはしていなかった。ひそかに対して嫉妬したりするくらいだから昆虫と違って精神活動はあるんだろうが、表情が乏しいせいで細かいところまではなかなか読み取れない。

とは言え、割と大人しくしてるし、狩りに出るのもだいたい決まった時間だから、何だかんだと気分で不規則に動き回るひそかよりもむしろ扱いやすい一面もあるんだよな。

なんてことを思ってると、狩りに出る時間になったらしく、じんも動き出して出入り口の方へと向かって行った。だが、出入り口にまで来ても勝手に開けて出て行こうとはしない。

「ドアを開けてやってくれ」

俺が命じるとエレクシアがドアを開ける。するとじんはするりと外へ歩み出ていってしまった。

シャワーを浴びていたひそかはと言えば、これも学習したのだろう自分で棚からタオルを取り出して濡れた体を拭いていた。こうしてみると本当に小さい子供のようだな。

さりとてさすがに使ったタオルを洗濯機に入れるということまではまだできなかった。その辺りまでできるようになってくれると助かるんだが。

なんにせよそれでまた外の簡易テントのところに移動して、今日も一日が始まるのだった。

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