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ハーレム
嫁一号(その恐るべき戦闘力)
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エレクシアYM10は、要人警護仕様のメイトギアである。なので当然、テロリストなどの襲撃から要人を守る為に必要な性能は備えている。銃撃から要人を守る盾として立ちはだかる俊敏性。武装した襲撃者を圧倒し制圧するパワー。それらを瞬時に判断し行動する決断力。
それらを総動員して、エレクシアは俺の意図を汲んで命令するより早く動いていた。
カマキリ少女のカマが密を捉えようとした瞬間、その体が自動車にでも撥ねられたかのように弾き飛ばされる。エレクシアがカマキリ少女を突き飛ばしたのだ。
だが、その気になれば頭をもぎ取るくらいのことはできる筈にも拘わらず、エレクシアはそこまではしなかった。俺の命令がなかったことで、あくまで密の身を守ることのみを優先したからだろう。
エレクシアに突き飛ばされたカマキリ少女の姿は、密林に溶けるようにして消えた。隠密性が高い。やはり昆虫的なストーキング能力を持ってるということか。
とは言え、同じようなことができる連中から要人を守ることが最大の商品価値であるエレクシア相手では意味がなかった。赤外線、紫外線、音響等のあらゆる方式で索敵する機能を持つ彼女の前では裸同然なのだ。最初の攻撃も、数秒前から完全に把握されていた。もっとも、これでも事前のデータがなかったから把握するのが遅れただけで、おそらく次からは近付いただけで警告を出してくれるはずだ。
一方、カマキリ少女の方としては、たぶん、この三人(?)の中で最も動きが鈍重な俺を見付けてすぐに狙ってきた感じか。エレクシアがいなければ俺は今頃あのカマキリ少女の腹の中だったに違いない。
しかし、エレクシアの強さが自分を圧倒していることに今のコンタクトで気付いたんだろうな。ストーキングによって隙を狙う戦法に変えたということだと思われる。
バレバレだが。
「狙いをマスター一人に完全に絞ったようです。いかがいたしますか?」
「あのカマキリ少女から俺を守り通せる確率は?」
「マスターが私の指示に従ってくださるのでしたら、九九.九九九六パーセントの確率で守ることが可能です」
「じゃあ、放っておいてい―――――」
と言いかけたその時、俺の頭上からカマキリ少女が襲い掛かってきた。位置は把握できてたから俺も咄嗟に反応できて、ハンドガンをぶっ放す。体のほぼ中心を捉えた手応えがあった。まぐれだが。
地面に落ちたカマキリ少女が「げはっ! がっ!!」と息を詰まらせながらのたうち回る。だがそれも数秒のことだった。俺を睨み付けながら四つん這いで起き上がり、一定の距離を保ちながらゆっくりと横に移動する彼女を、正面に捉えつつ様子を窺った。
痺れるような緊張感の中、カマキリ少女は四つん這いからスッと前屈みの状態になる。と、彼女の胸に傷が見えた。着弾の痕だとピンときた。しかし、貫通している風には見えない。さっきの反応は恐らく、着弾の衝撃で一瞬、呼吸ができなくなってパニックに陥ったってことだろうな。
それらを総動員して、エレクシアは俺の意図を汲んで命令するより早く動いていた。
カマキリ少女のカマが密を捉えようとした瞬間、その体が自動車にでも撥ねられたかのように弾き飛ばされる。エレクシアがカマキリ少女を突き飛ばしたのだ。
だが、その気になれば頭をもぎ取るくらいのことはできる筈にも拘わらず、エレクシアはそこまではしなかった。俺の命令がなかったことで、あくまで密の身を守ることのみを優先したからだろう。
エレクシアに突き飛ばされたカマキリ少女の姿は、密林に溶けるようにして消えた。隠密性が高い。やはり昆虫的なストーキング能力を持ってるということか。
とは言え、同じようなことができる連中から要人を守ることが最大の商品価値であるエレクシア相手では意味がなかった。赤外線、紫外線、音響等のあらゆる方式で索敵する機能を持つ彼女の前では裸同然なのだ。最初の攻撃も、数秒前から完全に把握されていた。もっとも、これでも事前のデータがなかったから把握するのが遅れただけで、おそらく次からは近付いただけで警告を出してくれるはずだ。
一方、カマキリ少女の方としては、たぶん、この三人(?)の中で最も動きが鈍重な俺を見付けてすぐに狙ってきた感じか。エレクシアがいなければ俺は今頃あのカマキリ少女の腹の中だったに違いない。
しかし、エレクシアの強さが自分を圧倒していることに今のコンタクトで気付いたんだろうな。ストーキングによって隙を狙う戦法に変えたということだと思われる。
バレバレだが。
「狙いをマスター一人に完全に絞ったようです。いかがいたしますか?」
「あのカマキリ少女から俺を守り通せる確率は?」
「マスターが私の指示に従ってくださるのでしたら、九九.九九九六パーセントの確率で守ることが可能です」
「じゃあ、放っておいてい―――――」
と言いかけたその時、俺の頭上からカマキリ少女が襲い掛かってきた。位置は把握できてたから俺も咄嗟に反応できて、ハンドガンをぶっ放す。体のほぼ中心を捉えた手応えがあった。まぐれだが。
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