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チュートリアル
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「二百万秒と言っても、お前の残り時間を使う訳じゃない。実際には、二百万倍に加速された中で、<敵>と戦ってもらうことになる。つまり、お前にとっては二百万秒でも、お前以外の人間にとっては一秒しか経ってないってことだ。で、お前が相手をする<敵>はそれだ」
状況が全く理解できない僕に一方的に話しかける<そいつ>が指差した方に思わず視線を向けると、そこには病室のドアとほぼ同じくらいの大きさの一つ目の<何か>がいた。
「悪いが、お前の返事を聞く前に奴らが来てしまったんでな。既に戦闘は始まってしまってる。残り百九十九万九千九百六十秒だ」
そんなことを言われても、これが果たして現実なのか夢なのかすら分からない。
「どうでもいいが、これはお前が二百万倍に加速されてるだけで、時間が止まってる訳じゃないんだ。さっさとしないと助けられるものも助けられないぞ。ほれ、そこの幼女がまず殺されそうだ」
クォなんとかが改めて指差した先には、一つ目の怪物から伸びた触手のようなものが、同室の年配男性のお見舞いに来ていた家族の娘らしい、確か保育園に通ってるっていう女の子の首を捕えようとしてる風に見えた。
「ちなみにそいつの触手はお前達人間が作るどんな刃物より切れ味鋭いぞ。絞め殺される前にスポーンと首が飛ぶな。何ならこのまま待って幼女の首が飛ぶところを見物でもするか? ん?」
クォなんとかは嘲るようにニヤニヤと笑いながら僕に話しかけてくる。その顔がまた最高に気に障る。
「なんなんですか!? 僕にどうしろって言うんですか!?」
さすがにキレてしまってついそんな風に言ってしまった。言ってしまってからヤバいと思ったけど、そいつは怒るどころか嬉しそうにニヤァって笑った。
「どうしろもこうしろも、お前の好きにすればいい。二百万倍に加速されて、しかもその速度にお前の体は耐えられるようになってる。もうそれだけでとんでもないチート能力だ。今のお前の感覚で秒速一メートルで動けば、他の奴らからは秒速二百万メートルで動いてることになる。
分かるか? 秒速二千キロだぞ? 隕石ですら秒速数十キロだ。それより二桁違う速度でお前は動けるんだ。しかもその速度に耐えられる体となれば、およそこの地球上で破壊できないものはない。お前が撫でるだけで、熱いナイフでバターに触れるようにどんなものでも切れる。ほれ、試しにその一つ目野郎に触れてみろ」
そう言われて、僕は恐る恐る一つ目の怪物に近付いて行って、そっと押してみた。
つもりだった。ただ軽く押しただけのつもりなのに、殆ど抵抗なくするっと手の平がそれに潜り込んでいってしまったのだった。
状況が全く理解できない僕に一方的に話しかける<そいつ>が指差した方に思わず視線を向けると、そこには病室のドアとほぼ同じくらいの大きさの一つ目の<何か>がいた。
「悪いが、お前の返事を聞く前に奴らが来てしまったんでな。既に戦闘は始まってしまってる。残り百九十九万九千九百六十秒だ」
そんなことを言われても、これが果たして現実なのか夢なのかすら分からない。
「どうでもいいが、これはお前が二百万倍に加速されてるだけで、時間が止まってる訳じゃないんだ。さっさとしないと助けられるものも助けられないぞ。ほれ、そこの幼女がまず殺されそうだ」
クォなんとかが改めて指差した先には、一つ目の怪物から伸びた触手のようなものが、同室の年配男性のお見舞いに来ていた家族の娘らしい、確か保育園に通ってるっていう女の子の首を捕えようとしてる風に見えた。
「ちなみにそいつの触手はお前達人間が作るどんな刃物より切れ味鋭いぞ。絞め殺される前にスポーンと首が飛ぶな。何ならこのまま待って幼女の首が飛ぶところを見物でもするか? ん?」
クォなんとかは嘲るようにニヤニヤと笑いながら僕に話しかけてくる。その顔がまた最高に気に障る。
「なんなんですか!? 僕にどうしろって言うんですか!?」
さすがにキレてしまってついそんな風に言ってしまった。言ってしまってからヤバいと思ったけど、そいつは怒るどころか嬉しそうにニヤァって笑った。
「どうしろもこうしろも、お前の好きにすればいい。二百万倍に加速されて、しかもその速度にお前の体は耐えられるようになってる。もうそれだけでとんでもないチート能力だ。今のお前の感覚で秒速一メートルで動けば、他の奴らからは秒速二百万メートルで動いてることになる。
分かるか? 秒速二千キロだぞ? 隕石ですら秒速数十キロだ。それより二桁違う速度でお前は動けるんだ。しかもその速度に耐えられる体となれば、およそこの地球上で破壊できないものはない。お前が撫でるだけで、熱いナイフでバターに触れるようにどんなものでも切れる。ほれ、試しにその一つ目野郎に触れてみろ」
そう言われて、僕は恐る恐る一つ目の怪物に近付いて行って、そっと押してみた。
つもりだった。ただ軽く押しただけのつもりなのに、殆ど抵抗なくするっと手の平がそれに潜り込んでいってしまったのだった。
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