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第三幕
まだそんな世界でいいと思うの?
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たとえ吸血鬼やダンピールの存在が公にならなくても、AIが人間の能力を上回らなくても、別の惑星からさらに高度に進化した知的生命体が訪れなくても、すでに人間同士で、
『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』
という考えの下に様々な不幸を生み出してきたよね? まだそれを続けるつもりなの? 日常的にそんな扱いを受けて、それで不平不満を募らせているのに? まだそんな世界でいいと思うの?
僕やセルゲイが女性に好意を寄せられることを妬むのは、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』という考え方の裏返しじゃないの?
『容姿が劣っている者として虐げられているという実感がある』
からじゃないの?
なるほど、
『容姿が劣っているから最初の段階で自分を見てもらえない。という形で機会が限定されている』
というのは事実かもしれないけど、でもそれは、
『容姿だけで判断される時期を過ぎても、それを補う美点が存在しないから、評価が上向かない』
だけなんだけどな。
容姿は<外面>として、<内面>でアピールしようにも、
『容姿が優れている者を妬む』
という時点で、
『<内面>の部分でも見るべき点がない』
と、他者からは見えているだけなんだけどね。そしてこう言われたからといって感情的になってさらに他者を貶めようとするなら、ますます『<内面>の部分でも見るべき点がない』という事実を自ら肯定することになる。
これらも、結局は、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』という考え方の裏返しでしかなく、
『詭弁を弄することにおいては自分の方が優れているから、その部分で劣っている者を虐げていい』
という発想そのものだよね?
その発想そのものが、自身の<内面>を、<見るべき点がないもの>にしているとなぜ気付かないの?
はっきり言えば、<容姿>の点ではアオより優れている女性は無数にいると思う。でも、彼女以上に僕を理解してくれる女性とは僕はこれまで出逢ってきていない。だから僕は彼女を選んだ。
それが<答>なんだよ。
彼女は、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』とは考えない。考えてしまいそうな自分自身を肯定しない。その考えに甘えない。
だから彼女は、自分よりも能力の点で劣っているように見える相手のことも虐げないし、見下そうとしないんだ。
さくらを相手に喧々諤々火花を散らすのは、さくらが自分と対等以上の存在だと認めればこそだしね。
僕は、改めてそれを実感し、大アララト山を後にしたのだった。
『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』
という考えの下に様々な不幸を生み出してきたよね? まだそれを続けるつもりなの? 日常的にそんな扱いを受けて、それで不平不満を募らせているのに? まだそんな世界でいいと思うの?
僕やセルゲイが女性に好意を寄せられることを妬むのは、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』という考え方の裏返しじゃないの?
『容姿が劣っている者として虐げられているという実感がある』
からじゃないの?
なるほど、
『容姿が劣っているから最初の段階で自分を見てもらえない。という形で機会が限定されている』
というのは事実かもしれないけど、でもそれは、
『容姿だけで判断される時期を過ぎても、それを補う美点が存在しないから、評価が上向かない』
だけなんだけどな。
容姿は<外面>として、<内面>でアピールしようにも、
『容姿が優れている者を妬む』
という時点で、
『<内面>の部分でも見るべき点がない』
と、他者からは見えているだけなんだけどね。そしてこう言われたからといって感情的になってさらに他者を貶めようとするなら、ますます『<内面>の部分でも見るべき点がない』という事実を自ら肯定することになる。
これらも、結局は、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』という考え方の裏返しでしかなく、
『詭弁を弄することにおいては自分の方が優れているから、その部分で劣っている者を虐げていい』
という発想そのものだよね?
その発想そのものが、自身の<内面>を、<見るべき点がないもの>にしているとなぜ気付かないの?
はっきり言えば、<容姿>の点ではアオより優れている女性は無数にいると思う。でも、彼女以上に僕を理解してくれる女性とは僕はこれまで出逢ってきていない。だから僕は彼女を選んだ。
それが<答>なんだよ。
彼女は、『優れた者・力の強い者は、劣っている者・力の弱い者を虐げていい』とは考えない。考えてしまいそうな自分自身を肯定しない。その考えに甘えない。
だから彼女は、自分よりも能力の点で劣っているように見える相手のことも虐げないし、見下そうとしないんだ。
さくらを相手に喧々諤々火花を散らすのは、さくらが自分と対等以上の存在だと認めればこそだしね。
僕は、改めてそれを実感し、大アララト山を後にしたのだった。
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