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第二幕
恵莉花の日常 その8
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「やっほ~♡」
その日も、恵莉花は、秋生と洸と一緒に、蒼井家を訪れた。
正直、学校の友達と遊ぶよりもずっと気持ちが楽だ。
「いや~、なんて言うか、うちやここみたいに家でリラックスできてる子ってどうも少ないみたいでさ。遊び行くと家の愚痴や親の悪口のオンパレードなんだよ。そういうの聞いてると気が滅入るんだよね。本音言うと」
それが嘘偽りない彼女の素直な気持ちだった。
すると秋生も、
「僕の方もそんな感じかな。僕と仲良くしてくれる女の子達も、やっぱ家ではいろいろあるみたいで。時々泣きそうな顔で話してくるんだよ。そういう時はただ聞き役に回るんだけど、『どうしてうちや悠里んとこみたいにできないんだろう?』って思うよね」
苦笑いを浮かべながら口にする。
そんな二人に、椿も、洸の膝に座りながら、
「分かる~! 親の悪口とか言われてもパパやママやさくらママとはぜんぜん違うから、なんか不思議な感じするんだよ」
そこに悠里と安和が、
「僕達は<学校>とか行ってないからその辺りはよく分からないけど、いろんな国に行っても、盛り上がってるのは、結局、<愚痴>なんだよね。家の中では仕事の愚痴。仕事先では家庭の愚痴」
「そうそう。それで二言目には『ぶん殴ってやりたい』とか『いつかぶっとばしてやる』とか『復讐してやる』とか。もううんざり。結婚相手も仕事先も、自分が選んだんじゃん。それがダメだってんなら、それは自分の見る目が無かったってことじゃん。他人に愚痴こぼすとか、お門違いもいいところだよね」
などと、見た目にそぐわない厳しい言葉。
すると恵莉花が、
「あいた~、確かに、私も自分で学校決めたからさ、それなのについつい学校でのことであれこれ言っちゃうの、同じことだよね」
と、これまた苦笑い。
そんな恵莉花に、安和は、
「ごめん、言い過ぎた」
頭を掻きながら謝る。けれど恵莉花は、
「ううん。安和の言うことはもっともだと思う。誰かに押し付けられたんじゃなく自分で選んだんならさ、それには責任持たなきゃねとは思うよ。
その点、うちのママ…お母さんやミハエルパパやアオママはちゃんと自分の選んだことに責任持ってるっていつも思うんだ。ダンピールや吸血鬼と人間とで結婚して子供作って、いろんな不具合や不都合があるはずなのに、それを誰かや社会の所為にしたり私達子供に八つ当たりしないでやってるんだよ。本当にすごいと思う。尊敬する。
だからさ、私もそれを見習わなきゃって思うんだ。お母さんやミハエルパパやアオママみたいに上手くはできないかもだけど、人を傷付けるようなことはしちゃいけないなって思えるんだ」
と微笑んだのだった。
その日も、恵莉花は、秋生と洸と一緒に、蒼井家を訪れた。
正直、学校の友達と遊ぶよりもずっと気持ちが楽だ。
「いや~、なんて言うか、うちやここみたいに家でリラックスできてる子ってどうも少ないみたいでさ。遊び行くと家の愚痴や親の悪口のオンパレードなんだよ。そういうの聞いてると気が滅入るんだよね。本音言うと」
それが嘘偽りない彼女の素直な気持ちだった。
すると秋生も、
「僕の方もそんな感じかな。僕と仲良くしてくれる女の子達も、やっぱ家ではいろいろあるみたいで。時々泣きそうな顔で話してくるんだよ。そういう時はただ聞き役に回るんだけど、『どうしてうちや悠里んとこみたいにできないんだろう?』って思うよね」
苦笑いを浮かべながら口にする。
そんな二人に、椿も、洸の膝に座りながら、
「分かる~! 親の悪口とか言われてもパパやママやさくらママとはぜんぜん違うから、なんか不思議な感じするんだよ」
そこに悠里と安和が、
「僕達は<学校>とか行ってないからその辺りはよく分からないけど、いろんな国に行っても、盛り上がってるのは、結局、<愚痴>なんだよね。家の中では仕事の愚痴。仕事先では家庭の愚痴」
「そうそう。それで二言目には『ぶん殴ってやりたい』とか『いつかぶっとばしてやる』とか『復讐してやる』とか。もううんざり。結婚相手も仕事先も、自分が選んだんじゃん。それがダメだってんなら、それは自分の見る目が無かったってことじゃん。他人に愚痴こぼすとか、お門違いもいいところだよね」
などと、見た目にそぐわない厳しい言葉。
すると恵莉花が、
「あいた~、確かに、私も自分で学校決めたからさ、それなのについつい学校でのことであれこれ言っちゃうの、同じことだよね」
と、これまた苦笑い。
そんな恵莉花に、安和は、
「ごめん、言い過ぎた」
頭を掻きながら謝る。けれど恵莉花は、
「ううん。安和の言うことはもっともだと思う。誰かに押し付けられたんじゃなく自分で選んだんならさ、それには責任持たなきゃねとは思うよ。
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だからさ、私もそれを見習わなきゃって思うんだ。お母さんやミハエルパパやアオママみたいに上手くはできないかもだけど、人を傷付けるようなことはしちゃいけないなって思えるんだ」
と微笑んだのだった。
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